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【甲子園】掛川西が60年ぶり夏1勝…7回怒とうの5連打4点…先発全員で15安打

スポーツ報知 / 2024年8月11日 8時19分

笑顔で応援団のもとへ駆け出す掛川西ナイン(カメラ・朝田 秀司)

◆第106回全国高校野球選手権 第4日 ▽1回戦 日本航空4―8掛川西(10日・甲子園)

 26年ぶり6回目出場の掛川西が日本航空(山梨)を8―4で下し、1964年以来、60年ぶり夏1勝を挙げた。初回に4連打で3点を先制した掛西は、2回に一度は逆転されたものの、4回に追いつき、4―4の7回には2死走者なしから四球を挟んで5連打で一挙4点を奪うなど先発全員の15安打で「富士山ダービー」に快勝。2回戦は15日に岡山学芸館と対戦する。

 60年ぶりに掛川西の校歌が夏の聖地に響き渡った。ナインは埋め尽くされたスタンドからの声援を一身に浴びた。7回に勝ち越し打を放った堀口泰徳捕手(3年)は「甲子園という場所と応援がかけあって力を出せた。色んな方が喜んでくれた」と喜んだ。

 4―4の7回2死走者無しから掛川西の猛攻が始まった。3番佐藤駿斗三塁手(2年)の左への二塁打で口火を切ると、4番の堀口が勝ち越しの中前適時打。先発の高橋郁真(3年)が5回4失点で降板していたため「高橋をもう一度甲子園に立たせたい気持ちだけでした」と持ち味の力強いスイング。一塁で味方ベンチに笑顔で拳を突き出した。安打と四球で満塁後、石川大峨一塁手(2年)が左前2点適時打、桑原拓海中堅手(2年)の適時打で一挙4点を奪った。

 初回も先頭から4連打で3点先制と集中打を浴びせた。チームは先発全員安打で15安打。ベンチ入りした選手はいずれも県内出身選手。夏26年ぶり出場と思えない打力を聖地で披露した。大石卓哉監督(44)は「試合をとにかく楽しんで、自分たちのできることをやるだけだと、言っていた。その通りの結果になって良かった」と、選手をたたえた。

 前回出場1998年時は主将として出場した大石監督が全国でも戦える「最強の掛川西」をつくり上げてきた。中大で準硬式でプレーも保健体育教諭の資格を取りたかった指揮官は筑波大に2年間通うと動作解析などを学んだ。三ケ日の監督を経て甲子園常連校の静岡高の部長から18年に赴任した。

 今夏で全国9度出場となる強豪だが、就任当時は使用できるピッチングマシンが1台のみ。またウェートトレーニングを重視していた指揮官だったが器具は「古びてさびてまともに使える状態でなかった」という状態だった。就任3年目に専用トレーニング施設が完成すると、自身が培ってきた知識とDNA検査などを基にしたデータで選手の弱点を埋めて、平均的総合能力が高い選手を育成。21年には春季東海大会王者に導くなど着々と揺るぎない強さを磨き上げてきた。

 次戦は第9日(15日)の第2試合で岡山学芸館と対戦する。同校の全国2勝は最高成績8強に進出した1975年のみで、夏は一度もない。堀口は「自分たちの野球を変えずに負けない野球を体現できるように次の試合も頑張るだけ」。名将の下で鍛えられてきた力で聖地で快進撃を起こしていく。(伊藤 明日香)

 高橋郁真投手(先発し5回4失点)「チームに迷惑かけたと思うんですけど、4失点してそこからもう切り替えがすぐできて、そこから無失点を続けることができたので良かった」

 〇…2番手で登板した増井俊介投手(3年)が粘りの投球を見せた。4―4の6回からマウンドへ。187センチ右腕は7回に勝ち越し後も直球を主体に好投、4回を無失点に抑えた。「後続の自分が打たれて負けさせるのは申し訳ないと思った。絶対0で抑える気でいた」。大応援も実感し、「自分の背中を押してくれた。すごい力になって今日のいい投球につながったと思う」と感謝した。

 〇…学校応援席の2800枚は完売。現役生や卒業生、保護者らが一塁スタンドを埋め尽くし、そろった応援を披露した。掛川西は応援にも力をいれており1年生の1学期に応援練習という、かけ声やマーチの指導時間を10回以上設けている。応援団の現役生は柴田真由子さん(2年)ら3人だが、卒業生18人も加わり大応援を統率。柴田さんは「OB、OG、在校生関係なく本当の意味で一体とした応援ができている」と胸を張った。

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