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レスリング65キロ・清岡幸大郎「ドラゴンボールの孫悟空になりたい」思いでつかんだ金メダル「もう最高です」…パリ五輪

スポーツ報知 / 2024年8月12日 5時0分

金メダルを獲得した清岡(左)は幼なじみの桜井つぐみと「かめはめ波」ポーズ(カメラ・岩田 大補)

◆パリ五輪 最終日 ▽レスリング(11日、シャンドマルス・アリーナ)

 11日は男子フリースタイル65キロ級決勝が行われ、初出場の清岡幸大郎(23)=三恵海運=が、金メダルを獲得。ラハマン・アムーザドハリリ(イラン)を10―3で下した。レスリング日本男子は金4つ目となり、1968年メキシコ市大会以来、56年ぶりの快挙。日本勢全体でも史上最多の金8個、合計11個を量産し、日本勢の躍進を締めた。

 清岡は歓声も、支えてくれた人たちの思いも全てを受け止め、体に宿した。決勝のマットに上がると、両方の手のひらを高々と掲げた。ドラゴンボールの「元気玉」ポーズで得たパワーを胸に手を当て、注入した。相手の両足の間に頭を入れて回す「リンクル」と呼ばれる変形のアンクルホールドで得点を重ね、10―3で完勝。「小さい頃から五輪の優勝を夢見て駆け抜けてきた。もう最高です」と声を弾ませた。

 金メダルを届けたい人がいた。一昨年の12月4日に父・義雅さんが急死(享年48)。休日はよく釣りに連れていってくれた父は、レスリングの話題を口にすることは少なかった。小学校高学年の時には酔った父に「五輪なんて絶対行けるか」と夢を否定され、「ふざけんな。絶対行くから、見とけよ」と猛反発した。

 「応援されていないのかな」と感じた時もあった。だが、亡くなった後で知った。父の友人たちから「大会のたびにうれしそうに連絡が来ていたんだよ」と教えられた。「ツンデレだっただけ。実はちゃんと応援してくれていたんだ」。その1年後。国内予選で東京五輪王者の乙黒拓斗(25)=自衛隊=を破り、墓前に報告。アジア予選も突破して切符をつかんだ。

 五輪を目指す過程で自身の性格に向き合い、芽生えた思いがある。「漫画の主人公になりたい。ドラゴンボールの孫悟空になりたい」。五輪の舞台で応援を力に変え、悟空のように最強になった。「これが今、世界で一番きれいな景色。たくさんの人に支えられながらここまでたどり着いて、最後は自分の力で勝ち取った景色を見せることができてうれしい」。表彰台の一番高い場所で、天国の父に胸を張って報告した。(林 直史)

 ◆女子57キロ級金の桜井つぐみは幼なじみ

 清岡は、女子フリースタイル57キロ級でパリ五輪金メダルの桜井つぐみ(育英大助手)と幼なじみ。先に金メダルを獲得した幼なじみに刺激をもらい「僕も金メダルを取らなきゃいけないなというふうに思う」と、思いを強くしていた。メダルを手にした表彰式の後には、一緒に「かめはめ波」のポーズを決めて、喜びを分かち合った。

 ◆清岡 幸大郎(きよおか・こうたろう)2001年4月12日、高知県生まれ。23歳。高知南高、日体大を経て三恵海運。3歳で女子57キロ級金の桜井つぐみの父・優史さんが指導する高知クラブで競技を始める。4月のアジア予選でパリ五輪出場権。166センチ。

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