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「やっぱり21世紀枠だから」昨年センバツ初戦敗退後の周囲のひと言に奮起 石橋・背番号「6」入江が意地の完封劇

スポーツ報知 / 2024年8月14日 6時0分

毎回の11奪三振で完封勝利を挙げた石橋・入江

◆第106回全国高校野球選手権大会第7日 ▽2回戦 石橋5―0聖和学園(13日・甲子園)

 甲子園開場100周年の節目に、創立100年の県立進学校・石橋(栃木)が聖和学園(宮城)との初出場対決を制し、聖地初勝利を挙げた。背番号6の右腕・入江祥太(3年)が毎回の11奪三振で4安打完封。毎回奪三振完封は夏の栃木勢初の快挙だった。打っては、06年夏に早実で全国制覇した元日本ハム右腕と同姓同名の聖和学園・斎藤佑樹(3年)から安打を放つなど3安打。史上4人目の毎回奪三振完封&3安打となった。

 入江の135球が100年の歴史を動かした。遊ゴロで27個目のアウトを奪うと、最高の笑顔がはじけた。甲子園と“同い年”の創立100周年で初出場初勝利。毎回の11奪三振での4安打完封は、夏の甲子園では怪物・江川卓も成し得なかった栃木県勢初の快挙となった。毎回奪三振完封に加え、3安打は史上4人目。斎藤佑に投げ勝った背番号6は「絶対に1人で投げ抜く気持ちでした」と達成感をかみ締めた。

 スマイルを絶やさなかった。6回裏に右ふくらはぎがつり、チェンジ後は肩を借りてベンチに下がった。嫌な雰囲気が漂ったが、4分間の治療直後、7回の打席で3安打目の左前打。不安を一掃し、続投を志願した。今夏から「ピンチの時こそ野球を楽しむ」とマウンド上で笑顔を意識。仙台育英を19安打で下した聖和学園撃破の主人公になった。

 旧友のエンジョイ・ベースボールを“体現”した。昨夏Vの慶応・加藤右悟主将と小宅(おやけ)雅己投手の2人とは中学時代、県央宇都宮ボーイズの仲間。開会式では優勝旗返還の加藤と再会した。ベルトを忘れた友に自分のものをレンタル。昨年王者から返却された“お守り”をつけて熱投した。慶応をほうふつとさせる笑顔で1勝をもぎとり、「縁起がいい。パワーをもらった」と感謝した。

 今夏初先発。背番号1は柳田瑛太だが、栃木大会は入江がロングリリーフでチーム最多18回を投げた。21世紀枠で出場した昨春センバツの先発経験から福田博之監督(58)に「甲子園は独特な雰囲気。経験があるので」と前日に伝えられた。昨春は内野安打2本のみで初戦完封負け。「やっぱり21世紀枠だからね」という周囲の何げないひと言に火が付いた。「それで逆に、実力で甲子園で勝てたらかっこいいなと。それが推進力になりました」。悔しさを糧に、夢見たストーリーを実現させた。

 アルプスは最上段までチームカラーのオレンジに染まった。横一列に整列してからの1分間は格別だった。「校歌を歌うことが目標だった。気持ちよかったです」。江川を超える入江の歴史的な快投で、石橋が100年分の夢をかなえた。(石橋野球部OB・竹内 夏紀)

 ◆入江 祥太(いりえ・しょうた)2006年4月19日、宇都宮市生まれ。18歳。今泉小2年時に野球を始め、作新学院中の3年春には県央宇都宮ボーイズで三塁手兼投手で全国制覇。石橋では1年春からベンチ入りし、23年春のセンバツ初戦・能代松陽(秋田)戦では先発を務めた。180センチ、81キロ。右投右打。家族は両親と兄。

 ◆江川卓と甲子園

 作新学院のエースとして「怪物」と呼ばれた江川卓は73年に春夏連続出場。春は開会式直後にV候補の北陽(大阪)戦で19K4安打完封。準々決勝の今治西戦では20Kで1安打完封など、大会史上最多の60奪三振も広島商との準決勝で敗れた。夏は2回戦で土屋正勝(元中日)を擁する銚子商と雨中の熱戦の末、延長12回サヨナラ押し出し四球を与え、0―1で敗退した。

 ◆記録ラッシュ!公立25年ぶり 背番号6では初めて

 ▼毎回奪三振&完封 背番号6の石橋・入江祥太が、毎回奪三振&完封勝利に加え、打っても3安打。

 夏の大会の毎回奪三振(完投)は、18年1回戦・創成館戦の創志学園・西純矢以来、73度目(他に継投で23度)、栃木県勢初。同時に完封は西以来、28人目、29度目。公立校の投手では、99年1回戦・倉吉北戦の静岡・高木康成以来、12人目、13度目。野手登録、背番号6では初めて。

 その試合に3安打以上は

年 投手 (校 名)K[安]

48水野義一(享栄商)12〈3〉

86近藤真一(享 栄)15〈3〉

91荒井修光(我孫子)14〈4〉

24入江祥太(石 橋)11〈3〉

 入江が4人目だ。

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