午後８時ごろから毎日のように練習する姿はまるで純粋な野球少年…宮本和知氏が巨人・浅野満塁弾を絶賛

打撃練習をする浅野

◆ＪＥＲＡ　セ・リーグ　巨人４―０阪神（１４日・東京ドーム）

　浅野は見事な一発だったね。カウント１―１。速い球を待ちながらスライダーをさばいたけど、一度クッと止まって、鮮やかに巻き込んだ。

　練習の成果ですよ。巨人女子チームの監督としてジャイアンツ球場で朝も夜も練習をしている我々だけど、浅野は午後８時ごろ、食事を終えてから、毎日のように１人でもやってくるんだよね。

　ただ、結果を出したいから来ているというより、バットやグラブに触っているのが好きで来ている、純粋な野球少年という感じ。一緒に頑張っている選手が１軍で願ってもない結果を出した思いがして、個人的にも鳥肌が立ったね。

　甲子園を沸かせたのが２年前。今また甲子園の熱戦をテレビで見て、浅野自身も初心に返れる部分もあったんじゃないかな。ヘルナンデスが離脱して、首脳陣が一番欲しかったのが右の外野手。その中で浅野が満塁弾という最高の答えを出してくれたね。

　４点のリードをもらって戸郷もスイスイ。ストレートとフォークの「ザ・戸郷」というピッチングだけど、２つの球種が同じ軌道で来て、打者の前で一度、トンネルに入るイメージ。そこから出て来た球が真っすぐ来るか鋭く落ちるか。そりゃ打者としては捉えづらいよね。８奪三振、無四球で２試合連続の完封。これぞエースの投球ですよ。

　投打にわたる快勝で阪神に勝ち越し。チームのムードもグッと盛り上がること間違いなし！（スポーツ報知評論家・宮本　和知）