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古賀紗理那が成長を示した3年間「手のひら1つ分、高く跳べるようになった」NEC指導者が明かす壮絶トレ

スポーツ報知 / 2024年8月17日 5時15分

引退会見を行った古賀(カメラ・池内 雅彦)

 パリ五輪を最後に引退したバレーボール女子日本代表の古賀紗理那(NEC)が16日、都内で会見を開いた。夫・西田有志(大阪ブルテオン)が見守る中、涙はなく「後悔はない」と笑顔で20年の競技人生に区切りをつけた。今後もバレーに関わる希望を持ち、家庭では「お世話を頑張る」と西田をサポートする。

 * * * *

 NECでハイパフォーマンスディレクターとして約3年前から古賀に体の動かし方を指導してきた里大輔氏(38)が、努力の舞台裏を語った。

 古賀は、持ち前の滞空時間が長いスパイクで日本をけん引してきた。「もっとうまくなりたい」―。この一心で3年間駆け抜けてきた。

 里氏「古賀選手は成長のために時間も労力もいとわない。約1年半、地獄のトレーニングを頭から湯気が出るぐらい、よく考えて高い質でやってくれました」

 ブロックの質が上がった世界では、より高い打点から多くの選択肢で攻撃する方が求められた。180センチの古賀もさらに高く跳び、スキルを出す。スパイクの助走開始時の体勢から変えた。

 「どの方向に動いても足より前に頭がある。パラパラ漫画で表すと1~2コマ分、ロスがある。タイミングを失い、十分な速度を得られないまま踏切に入るので爆発的な力、速度を出せず高さは出ないのです。外エッジを勝ちポジション、内側を負けと表し、シンプルに伝えます。ジャンプを11~12項目の段階に細分化し、1つずつ改善しました。助走をマスターするのに1年半。見ていても何も面白くない地道なものでも、古賀選手は『待ってました』という感じで面白いと感じてやってくれました」

 助走速度を上げるために8段階ある走力トレにも励んだ。ベースは10メートル強の距離を6本3セット。有酸素運動から徐々にペースを上げて無酸素に近づき、これを続ける。さらに跳躍を支える体幹など体作りも並行して行い、腹筋は約30種類で計600~800回にも上るが、一部に過ぎない。

 「走るトレーニングも1年半。スパイク時、だいたい手のひら1つ分、高く跳べるようになりました。高く跳ぶ力がつけば出せるエネルギーも大きくなる。それを受け止めるために体幹を安定させ、跳ぶための前提を作ります。思った以上に体に複雑なストレスがかかるんです。腹筋も彼女は毎日さくさく行っています」

 古賀の「すごみ」は努力し続けることだけではなかった。

 「映像を見なくても自分の動きを感覚で捉えられるから、想像して振り返り試合の中で修正する。1秒に考えている量が圧倒的に多く、他人の1秒が彼女にとって10分ぐらいあるのでは。修正する部分を瞬時に決断する能力もすごいです」

 ネーションズリーグで日本初の銀メダル獲得。パリ五輪では全3試合でチーム最多得点の活躍。地道な努力の成果を結果につなげて見せた。

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