「本当に吸収しようとする姿勢がいいですよね」初３番３安打の助っ人にベテランから外野用グラブプレゼント…志願の外野練習に感銘

４回無死一塁、右越え２ランを放ち生還した岡本和（右）をタッチで迎えるモンテス（カメラ・中島　傑）

◆ＪＥＲＡ　セ・リーグ　ＤｅＮＡ１―１１巨人（１７日・横浜）

　助っ人の一打から猛攻が始まった。１点リードの３回１死、巨人のココ・モンテス内野手（２７）は、石田裕の１４５キロ直球を左前にはじき返した。これが口火となり、この回打者一巡１０人の猛攻で一挙６安打５得点。「今日はチームとして得点もいっぱいできましたし、非常に良かった」という背番号３９が、チームを勢いづけた。

　右へ、左へ、打ち出の小づちのようにヒットを量産した。初回、３回に左前安打を放つと、４回先頭では代わったばかりの中川颯のツーシームを逆らわずに右前へ。これで１３日の阪神戦（東京Ｄ）からの３試合で１２打数８安打。「広角に打ち分けるのが自分の特長。今日もそういうバッティングを心がけました」と好調の要因を明かした。

　ヘルナンデスの定位置だった「３番」で初先発した。東京Ｄに続きハマスタのベンチにも、背番号４２のユニホームを掲げて試合に臨んだ。「３番という打順に座れることはとてもうれしい」とエリ（ヘルナンデスの愛称）の思いを胸に来日３度目の３安打を放った。阿部監督は「いい仕事をしてくれるので期待を込めてね。今日の打順でなるべく固定したいなと思っているんだけど、捕手が代わったりするので、そこはまた考えたい」と３番で継続起用することを示唆した。

　積極性がチームメートの心を動かしている。「出していただけるのであればどこでもプレーします」と指揮官に直訴し、１２日から志願して外野練習を開始した。外野用グラブを持っていなかったが、その様子を見た立岡が「使ってみる？」と快くグラブをプレゼントしてくれた。練習でも打球の追い方などを助言した立岡は「エリもそうでしたけど、ココも本当に吸収しようとする姿勢がいいですよね。日本で活躍したい思いが伝わってくるし、こっちもアドバイスしやすい」と積極的な姿勢を歓迎。初の屋外球場での外野守備も無難にこなし、日に日に上達している。

　これで左翼で先発して２連勝。「引き続きチームに貢献できるバッティングを心がけたい」。チームのキーマンになりつつある。（井上　信太郎）