日本ボクシング連盟、新国際競技団体ＷＢに加盟へ「（２８年ロス）五輪から除外されないために」ＩＢＡと重複加盟目指す

　日本ボクシング連盟は１８日、都内で会見し、米国や英国、オランダなどが新たに設立した国際競技団体「ワールド・ボクシング（ＷＢ）」への加盟を目指す方針を明らかにした。現在加盟する国際ボクシング協会（ＩＢＡ）との関係は維持する考え。仲間達也会長は「可能であればＩＢＡは脱退しない。継続した上でＷＢに重複した形で加盟するということで動いている」と説明した。

　ボクシングを巡っては国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）がＩＢＡに対し、組織運営や不正判定の問題で統括団体としての資格停止処分を科している。２１年東京、２４年パリ五輪はＩＢＡ管轄下では実施されず、ＩＯＣの作業部会が運営を担った。ＩＢＡもＩＯＣへの対決姿勢を鮮明にするなど混乱が続いており、２８年ロサンゼルス五輪で実施競技から外れる可能性も浮上している。

　五輪競技存続に向け、統括団体としての承認を求めてＩＯＣと折衝しているのが、新団体のＷＢだ。仲間会長は「我々もＷＢに協力することで五輪競技から除外されないためにきちんと動いていかなければいけない。五輪が一番なので、そこを残せるようにやらなければいけない」と加盟手続きに踏み切った背景を語った。ＷＢ側にはパリ五輪期間中に正式に意向を伝えた。

　一方で、ＩＢＡからの脱退は避けた。どっちつかずに映る選択だが、仲間会長は世界選手権など多くの大会をＩＢＡが主催する現状から「脱退して選手がチャンスを失うことは避けたい。うまく立ち回りたいというのが正直なところ」と吐露。アスリート委員会を通して選手の意見も聞き、またＷＢが統括団体として認められるかが現時点では不透明であることも踏まえて、ＩＢＡとの関係も継続を選択した。

　９月には日本連盟として初めて、ＷＢ主催の世界大会に選手を派遣することも決めた。今後はＩＢＡとＷＢの大会日程が重なるケースも想定される。選手の希望や大会の価値などを考慮してその都度判断する。また、重複加盟については複数の国が同様の手法をとっているものの、ＩＢＡは重複加盟を原則認めていないという。今後のＩＢＡの動き次第では、改めて選択を迫られる可能性もありそうだ。