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「親族に囲まれて安らかに亡くなった」“世紀の二枚目”アラン・ドロンさん死去 仏・マクロン大統領も悼む

スポーツ報知 / 2024年8月19日 6時0分

 映画「太陽がいっぱい」などに主演したフランスのスター俳優アラン・ドロンさんが死去したと18日、親族が明らかにした。同国メディアが伝えた。88歳だった。57年にスクリーンデビューし、“世紀の二枚目”と称された端正なルックスで日本でも高い人気を誇った一方で、奔放な恋愛観や私生活で世間をたびたび騒がせた。今年2月には、自宅から銃器などを押収される騒ぎを起こしたばかりだった。

 世界に知られる二枚目として絶大な人気を誇った名優が、天国へと旅立った。

 フランスメディアによると、ドロンさんは中部ロワレ県ドゥシーの自宅で死去。18日に出された声明では「親族に囲まれて安らかに亡くなった」と最期の様子が伝えられた。マクロン大統領はXで「世界中に夢を与えてきた。スターであるだけでなく、フランスの記念碑だった」と、その生涯をたたえた。

 幼少期に両親が離婚し、家業を継げるよう豚肉加工の資格を身に付けたが、17歳で海軍に入隊。俳優となったのは本人によると「偶然」で、「女性たちのおかげだ」とも語っていた。20歳で除隊後にパリの歓楽街で暮らしていた際、ほれ込まれた女優との関係がデビューにつながった。

 60年の代表作「太陽がいっぱい」(ルネ・クレマン監督)では別の役を演じる予定だったが、クレマン監督夫人の「ルネ、この子が(主役には)正しい」の鶴の一声で主演に抜てき。「天使の顔」と評された美貌(びぼう)で、一躍スターとなった。71年の「レッド・サン」では故三船敏郎さんとも共演し、日本でも高い人気を誇った。

 華々しくキャリアのスタートを切ったものの、68年に自身の元ボディーガードが殺害された事件で関与が疑われ、一大危機に(容疑者不詳のまま捜査終了)。プライベートは子どもとの確執など波乱を重ね、多くの女性に愛されながらも寂しさを垣間見せる人生だった。

 人気に陰りが出始めた後も主演兼製作者として多くの映画に関わったが、望んだ賞はほとんど得られず、2017年には俳優業からの引退を表明。19年のカンヌ国際映画祭で「名誉パルムドール」を受賞した際には、壇上で「私がたった一つだけ、誇りにしているのはキャリアだ」と男泣きを見せた。

 最後に消息が伝えられたのは今年2月。自宅から銃器72丁と3000発超の弾薬が押収されたことが英BBCなどで報じられた。最後まで往年のスターらしい奔放さで、世間の注目を集めた。

 ◆アラン・ドロン 1935年11月8日、フランス・パリ生まれ。フランス海軍入軍・除隊を経て、57年に「女が事件にからむ時」でスクリーンデビュー。58年に「恋ひとすじに」で初主演。66年には、西部劇「テキサス」でハリウッドデビューを飾った。81年の初監督作「危険なささやき」では製作・脚本・主演も担当。2019年には脳卒中を発症するなど晩年は健康不安も抱えた。

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