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森祇晶さん「五分」V9対黄金西武 AKよりON、投手は西武、二遊間は…連続インタビュー「G九十年かく語りき」

スポーツ報知 / 2024年8月20日 5時15分

1990年、巨人との日本シリーズを制し胴上げされる西武・森監督

 巨人球団創設90周年記念の連続インタビュー「G九十年かく語りき」の第8回は森祇晶さん(87)の登場だ。捕手として「V9の頭脳」と呼ばれ、巨人の強さを支えた洗練されたチームプレーの要でもあった。水原茂、川上哲治という2人の大監督から教えを受け、のちに西武でも黄金期を築き上げた知将が、秘話とともに喜怒哀楽を語った。(取材・構成=湯浅 佳典、太田 倫)

 V9も含めて、選手、指導者として出場した日本シリーズでは20回連続で優勝した。でも、勝ち続けて楽しいと思えたことは、実は一度もない。うれしさを味わうより、ホッとするのが一番だった。ああ、これで何も言われなくて済む、と。

 シリーズの前は、喜びに浸っている余裕なんてなかった。リーグ優勝の決まった日に胴上げに参加せず、パ・リーグの試合を偵察に行っていたこともある。当時南海にいた野村克也さんから、パの強打者対策を授けてもらったことも、何度もあった。シリーズ前に、関西にあったノムさんの家に泊まりがけで行って野球談議をしてね。話していたら楽しくて、あっという間に朝になっていた。物事を観察して、どう集計し、頭の中でまとめていくか。捕手の本質的な話ができた人だった。

 よく聞かれることがある。V9時代の巨人と、僕が率いていた黄金時代の西武、どちらが強いか?って。これは難しい質問だよ。僕が巨人を指揮していたわけじゃないから、いちがいには言えない。

 ONとAK(秋山幸二・清原和博)では、勝負強さや、存在の重みから言ってもONが上かな。投手力は、巨人がやりくりで乗り切っていたことを考えると、渡辺久信、工藤公康、郭泰源がいた西武が上だと思う。野球をよく知っている二遊間、土井正三・黒江透修と辻発彦・石毛宏典はいい勝負。森と伊東勤の捕手対決は…読者の皆さんに委ねよう。

 結論は出せない。五分だと言うしかない。でも、どちらが強かったかを、実感を持って考えることができるのは、ある意味では僕にだけ許された楽しみかもしれないね。

 ◆森 祇晶(もり・まさあき)1937年1月9日、大阪・豊中市生まれ。87歳。現役時代は昌彦。55年に岐阜高から巨人に入団。61年から8年連続ベストナイン。74年引退。球宴出場11回。ヤクルト、西武のコーチを経て、86年に西武監督に就任。パ・リーグ史上初の5連覇(90~94年)を含むリーグ優勝8度、日本一6度に導き、94年限りで退団。2001、02年に横浜(現DeNA)監督。05年に野球殿堂入り。

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