【甲子園】大社・石飛文太監督、エースの途中降板よぎるも3年生の進言で続投「馬庭で最後までいって下さい!」
スポーツ報知 / 2024年8月19日 21時11分
◆第106回全国高校野球選手権大会第12日目 ▽準々決勝 神村学園8―2大社(19日・甲子園)
公立校唯一の8強入りを果たした大社は、終盤に神村学園に突き放され、夏史上最長ブランクとなる1917年以来、107年ぶりの準決勝進出を逃した。石飛文太監督は「先発の岸と2番手の山本が試合をつくってくれて、馬庭に最後を託しました。結局、私の采配ミスで点を取ってやれなかったことが最大の敗因です」と、9安打を放ちながら2点に終わった攻撃面を悔いた。
同点で迎えた5回無死一、二塁でエース・馬庭優太を今大会初めてリリーフで起用した。だが、失策絡みで勝ち越しを許すと、7回には4連続長短打を浴び、一挙4点を失った。「疲労ではなく、自分の準備不足に尽きる。流れを持ってこないといけない立場だったんですけど、打ち込まれて力の差を感じた」。背番号1は涙ながらに振り返った。
この日までエースは3戦連続完投と獅子奮迅の働き。指揮官は「最後まで馬庭をマウンドで見たい。でも本心としてはこれ以上、投げさせたくない。はざまで揺れました」と素直な感情を吐露した。
交代を告げようとしたが、3年生の投手陣から「最後まで馬庭でいって下さい」と進言を受けた。先発した岸恒介は「やっぱり最後は馬庭がいい。3年生としても、投げさせたかった。やっぱり馬庭がエースなんで」と断言。馬庭は8回に1点を失ったものの、9回を無失点でしのぎ、最後まで投げきった。
ベスト4進出は夢と消えたが、報徳学園(兵庫)、創成館(長崎)、早実(西東京)と強豪をなぎ倒した快進撃が色あせることはない。「今日の負けは悔しいですけど、この子たちが歴史を動かしてくれたことはうれしいです。後世に残るかは分かりませんが、大社の歴史が動いた瞬間であるのは確か。それを動かしてくれたのが馬庭であり、全員の力」と石飛監督。神の国からやってきたミラクルナインは、さわやかに聖地を去った。
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