ツアーデビューの「天才少女」須藤弥勒が永久シードの不動裕理と練習ラウンド 女王への道を学ぶ

　史上初めてゴルフのジュニアメジャー４冠を達成し「天才少女」と呼ばれる須藤弥勒（１３）＝ゴルフ５／太陽自動車＝は１９日、今週に迎えるツアーデビュー戦のニトリレディス（２２～２５日、北海道・桂ＧＣ）に向けて、ツアー通算５０勝の永久シード選手（通算３０勝以上）の不動裕理（４７）＝フリー＝と開催コースで１８ホールの練習ラウンドを行った。

　年の差、３４歳。中学１年生の弥勒にとって、ツアー歴代１位の生涯獲得賞金１３億７２６２万３８２円、同３位の通算５０勝を誇る日本女子プロゴルフ界のレジェンド不動から学ぶことは多かった。

　「不動さん、すごいです。さすがです。ミスが全くありません。ティーショットはあそこへ、第２打はあそこへ、という意図がはっきり分かりました。コースマネジメントが完璧です」と弥勒は興奮気味に話した。弥勒のキャディーを務める母・みゆきさん（５２）も「不動さんにラウンドレッスンをしていただいような感じでした。ツアー出場が初めての私たちに親切にしていただき、心からお礼を申し上げました」と感謝した。

　１８ホールを一緒に周り、プレー以外でも不動の姿勢に学んだという。「実は不動さんに『もっと生意気な子供かな、と思っていたけど、礼儀正しいね』と言ってもらいました。ツアーで５０勝もしているのに、全然、威張っていなくて、とても、優しかったです」と弥勒はうれしそうに話した。

　いよいよ、今週、ツアーデビューを果たす弥勒の生涯目標が定まった。「将来、不動さんのようなプロゴルファーになりたいです。成績では不動さんのように賞金女王になって通算５０勝を目指します。人としても不動さんのような優しい人になりたいです」と目を輝かせた。この日、不動にサイン入りのグラブをプレゼントされた。「一生の宝物になります。苦しくなった時は、このグラブを見て、きょう、誓ったことを思い出します」ときっぱり話した。

　ニトリレディスが行われる桂ＧＣは林間の難コース。「どれくらいのスコアで回れるか、分かりませんけど、最高に流れが良くなればパープレーでいけると思います。流れが悪ければ、かなりたたくかも。不動さんに学んだことを生かして全力で頑張るだけです」と弥勒は表情を引き締めた。

　弥勒は幼少時からテレビのバラエティー番組に出演し、抜群の存在感を持つ。現在、中学生のアマチュアながら計１６社から推定総額３億６０００万円以上の支援を受けている。破天荒な１３歳は、不動裕理のような歴史に残る「女王」を目指し、ツアーで第一歩を踏み出す。

　◆須藤　弥勒（すとう・みろく）２０１１年８月６日、群馬・太田市生まれ。１３歳。１歳からゴルフを始め、東大出身の父・憲一さんの緻密な指導を受ける。１７年に大会史上最年少で世界ジュニアに優勝。１８年も連覇した。１９年にマレーシア世界選手権、２１年にキッズ世界選手権、２２年６月にジュニア欧州選手権優勝し、ジュニアゴルフ界の４大メジャーを制覇。２２年８月に横峯良郎氏に弟子入り。２２年１月からアマチュアも無制限でスポンサー収入を得ることが可能になったことで、ダブル所属契約のゴルフ５と太陽自動車をはじめ計１６社に推定総額３億６０００万円以上の支援を受けている。家族は父、元フィギュアスケート選手でピアニストの母みゆきさん、兄・桃太郎君、弟・文殊君。１５０センチ、５０キロ。