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ワタガシ、最後のペア初戦は2―0突破 渡辺「早めに集合!」東野「楽しんでもらいたい」感謝伝える最後の大会

スポーツ報知 / 2024年8月20日 14時11分

混合ダブルスの1回戦を快勝した渡辺勇大(左)、東野有紗のペア (カメラ・佐々木 清勝)

◆バドミントン ▽ジャパン・オープン 第1日(20日、横浜アリーナ)

 各種目の1回戦が行われ、パリ五輪で銅メダルを獲得し、今大会限りでペアの解消を発表している渡辺勇大、東野有紗(BIPROGY)は、世界ランキング37位の米国ペアを21―7、21―3で下し、2回戦に進出した。東野は「初めての対戦相手で、昨日ドローが変わったりしたけど(渡辺と)『一戦一戦お互いに楽しんで頑張ろうね』という話をしているので、きょうは楽しめたかな」と完勝に笑顔だった。渡辺も「同じです。諦めずにプレーできたし、集中力も高かったと思います」と充実の汗をぬぐった。

 ワタガシとして最後の試合に集まった観客からこの日一番の歓声を浴びて入場した。第1ゲーム(G)から「(羽根が飛ばない」と長いラリーが続いたが、集中力を保った。2―3の渡辺のネット際へのショットから怒とうの9連続得点。14―6からは東野が好機を作り、渡辺のジャンピングスマッシュが決まった。「ワタガシ一本」の声が飛ぶ中、ゲームカウントから東野が強打の後、ネット際に緩急をつけて落として先取した。第2Gも攻撃の手を緩めず、2―6から14連続得点。快勝の試合展開でも次の戦いを見据えた攻撃を展開し、最後は渡辺のサーブレシーブに対し、相手が返せずに完勝。そろって手をたたき、渡辺は客席に向かって拳を突き上げた。

 福島・富岡一中時代に出会い、2012年からペアを組んで13年目。18年に全英オープンを初制覇し、21年東京五輪では同種目で日本勢初の表彰台となる銅メダル。パリ大会で日本のバドミントン界で初の2大会連続でメダル獲得の快挙を成し遂げた。16日には今大会を最後にペアを解消することを電撃発表した。19日の記者会見で、渡辺が「東京五輪が終わったときにパリ五輪が集大成になるという感覚で、2人でいて」と決断を説明した。

 今大会は負ければ、ワタガシの最後の試合。1回戦のこの日は平日ということもあり、観客席はまばらだった。渡辺は「もっとお客さん入って欲しい。ぜひ応援しにきて!もちろん(週末まで)勝ち残りたいけど、早くいっぱい集まって欲しい。こればっかりは分からないんで、相手も勝ちたいし、勝負なので、ちょっと早めに集合していただいて、マジで!」と呼びかけ「頑張ります!」と気合を入れた。東野も「私たちが最後だから見に来てくれた人たちもすごくいてくれたみたいで、そういう方のためにもバドミントンを楽しんでもらえるようなプレーができるように頑張りたい」と懸ける思いを述べた。

 大会後はそれぞれの道を歩む。東野は女子ダブルスで桜本絢子(ヨネックス)とペアを組み、28年ロサンゼルス五輪を目指す。渡辺は混合ダブルスを継続し、盛り上げていく。最後の試合となったジャパン・オープンは思い入れの強い大会。昨年では日本勢の同種目初制覇を飾っている。五輪後の多忙な中でも、しっかり気持ちを作ってきた。最後の大会で「2連覇」を飾り、ワタガシファンに最後の雄姿を届ける。

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