【甲子園】 延長１０回タイブレークで 関東第一・米沢監督の心に生じた一つの迷い

閉会式を終え引き揚げる関東第一・米沢貴光監督（手前）（カメラ・岡野　将大）

◆第１０６回全国高校野球選手権大会第１４日▽決勝　京都国際２―１関東第一＝延長１０回タイブレーク（２３日・甲子園）

　延長タイブレークに入る際、関東第一の米沢貴光監督（４９）の心にひとつの迷いが生じていた。「疲労のある坂井は３回が限度かも。あとに大後もいるので…」。７回から登板した坂井は、１０回が４イニング目。それでもエースに託した結果、無死一、二塁から安打と押し出し四球で１点を失い、そこで交代となった。

　３回戦から準決勝まで３試合続けて１点差で勝ち上がったチームが、決勝は１点差で敗れた。「京都国際の選手たちは、日本一をすごく意識していたんだと思います。ウチは、センバツで初戦負けして甲子園に来ることが最大目標になっていた」と指揮官は分析した。

　深紅の大優勝旗には手が届かなかった。それでも、過去最高の４強を上回る成績を残した。「また戻って来て挑戦できるように、もう一度踏ん張りたい」と米沢監督。決勝でしか味わえない悔しさは、指導者としてかけがえのない財産になる。（浜木　俊介）