片岡大育、首位浮上 今季１０戦９度予選落ちの「イップス」から復調 甲子園８強元球児の父と１５年ぶりコンビ

片岡大育

◆男子プロゴルフツアー　Ｓａｎｓａｎ・ＫＢＣオーガスタ　第２日（２３日、福岡・芥屋ＧＣ＝７２７４ヤード、パー７２）

　第２ラウンド（Ｒ）が行われ、６位で出た片岡大育（３５）＝Ｋｏｃｈｉ黒潮ＣＣ、写真＝が７バーディー、１ボギーの６６をマークし通算１１アンダーで、２０１７年カシオワールドオープン第１Ｒ以来の首位に浮上した。前戦までの１０試合で予選通過が１度と苦戦が続く今季の途中から、元高校球児の父・和人さん（６３）が１５年ぶりにキャディーを務めている。１９７９年夏の甲子園の高知高ベスト８入りメンバーとともに、しゃく熱の芥屋で７年ぶりのツアー４勝目を目指す。

　２０１９年に賞金シードを失い、今季１０戦で９度予選落ちを喫していた片岡大が、２度目の突破を単独首位で決めた。「ショットが一気に良くなってはまった」。前半１４番で１１７ヤードの第２打を１メートルにつけてバーディー。後半４番は６メートルを沈めて３連続バーディーを呼び込むなど、かみ合った。

　ティーショットもアイアンも制御不能に陥り、「もう本当にイップスだった」と口にした今シーズン。１４本のクラブセッティングがここに来てかみ合い、復調を遂げた。２０２０年頃に顔面神経麻痺（まひ）を発症した。現在は症状が治まっているものの、５月には右まぶたの裏に腫れ物ができ、視界が白くかすんだ。

　６月だった。プロ転向直後にバッグをかついでくれていた元高校球児の父・和人さんに、１５年ぶりのコンビ復活を直訴した。高知高の甲子園８強メンバー。６３歳になった今も「夏は強いので大丈夫です」と頼もしい。「まさかトップに立てるとは思っていなかった。この調子で続けていきたい」と片岡大。最強の相棒とともに７年ぶりの勝利に挑む。

（高木　恵）