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大谷の盗塁の進化は「時間+癖」にあり “パートナー”マッカロー一塁コーチが明かす…リード検証と投手研究経て

スポーツ報知 / 2024年8月25日 4時20分

◆米大リーグ ドジャース7x―3レイズ(23日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース1年目の今季、大谷は過去最多だった21年エンゼルス時代の26盗塁から飛躍的に数字を伸ばした。その秘密は。走塁面での心強い“パートナー”クレイトン・マッカロー一塁コーチ(44)を直撃した。(取材=村山 みち)

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 パワーとスピードを兼ね備える選手だけが到達できる「40―40」。公称95キロの大谷は史上最重量になる。なぜそのサイズで盗塁を重ねられるのだろうか。

 「遺伝もあるだろう。大きくてパワフル。そのうえ、状態、体形、走るための足をキープするために日々準備をしている。遺伝的な特徴と厳しいトレーニングをしているからだと思う」

 打者に専念する今季、春季キャンプから、走塁を鍛えていた。

 「前年(23年)のリードの取り方を検証した。『彼を知る』目的もあった。走るときの体のポジショニングについても検証した。体をもっと(右足を引く)オープンにした場合はどうか? その体勢で帰塁できるか? 走塁は前進するだけじゃない。戻る時も瞬時に速く走れなければならないので、細かく精査した」

 盗塁を狙う際に最も見ているのはどこなのか。投手? 配球? 捕手の肩?

 「一つは“時間”だ。投手がセットし、そこに捕手の(サインを出す)時間を加えて、投球するまでの平均時間を出す。その範囲内で、素早さなどを考慮して、投げるまでにかかる時間が分かる。次に見るのは投手の“癖”だ。少しだけ後ろに下がるとか、体のどこか一か所が先に動くとか。一緒にけん制のビデオを見ているときに発見したりする。『このタイミングだ』と翔平が見つけることもあるし、逆に彼自身がそのタイミングに盗塁しない判断をすることもある。だから、すべてフィットすれば盗塁するし、そうでなければしない」

 試合前などに2人は一緒に相手の動きをビデオで確認。大谷自らがロッカーの前で投手のモノマネをし、盗塁のタイミングを再確認していたこともある。

 「特に翔平は、ビデオを一緒に見て、いろんな角度から検証する。けん制するときの動きはもちろん、配球を見て比較したりね。翔平が集めた情報を、『これは見た? どう思う?』と私に見せることもよくある。翔平は私とは別のことを見ていて、言われるまでそのことには気づかなかった、ということも何度もある」

 キャンプからリードの幅などをミリ単位で追求してきたが、大谷は盗塁で最も重要なのは「スタートを切るタイミングと勇気」だという。

 「最も重要なのは『彼が投手の何を見て、それをどう感じるか』だ。私が気づいたことを彼に伝えて、それに対してしっくりこなければ、それまでだ。盗塁するのは彼なのだから。だから私はコーチというよりも、パートナーなんだ。翔平もとてもオープンだし、積極的に関わろうとする性格なので、彼のことを知っていくのは楽しいよ。初めて会ったのはキャンプだけど、共に過ごす時間が長くなり、だんだんと深く知るようになった」

バンプ痛いぜ… 同コーチとは出塁後、頭をぶつける“ヘッドバンプ”が恒例だ。

 「何度か彼が後半で大きなヒットを打ったときに結構強いバンプをしてきたから『おいおい、ちょっと力を抜いていこうぜ』って言ったこともあるよ(笑い)。感情が高ぶっていたんだろうね」

 ◆クレイトン・マッカロー 02年ドラフトでインディアンス入り。メジャー経験はない。07年からブルージェイズ傘下マイナーで指導者のキャリアをスタートさせ、15年からドジャースでマイナーのフィールドコーディネーターに。21年から1軍の一塁ベースコーチを務める。

 ◆大谷の脚力 公式データサイト「ベースボールサバント」によると、今季のスプリント速度は秒速28.1フィート(=秒速8.56メートル、時速30.83キロ)。リーグ平均は秒速27フィート(=秒速8.23メートル、時速29.62キロ)。リーグ平均を上回り、DHでは3番目に速い。

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