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渡辺雄太、千葉ジェッツ入団の決め手は「熱量」と「バスケを十分楽しめる環境」

スポーツ報知 / 2024年8月28日 5時0分

入団会見で背番号「1」のユニホームを手に笑顔の渡辺(カメラ・小林 泰斗)

 NBAで日本人最長の6季プレーしたバスケットボール男子日本代表の渡辺雄太(29)が27日、都内でB1リーグの千葉ジェッツ(千葉J)への入団会見を行い「優勝を目指して頑張っていきたい」とプロキャリアで自身初のタイトルを見据えた。約20チームが獲得に動く“争奪戦”が繰り広げられた中、決め手は「熱量」と説明し「日本バスケの発展につながれば」と唯一無二の経験を還元する。

 千葉Jの一員として、バスケ人生第2章の扉を開いた。全身を黒のスーツで引き締めた日本人2人目のNBAプレーヤーは、最初に「改めまして、千葉ジェッツの渡辺雄太です」とあいさつ。入団発表からパリ五輪を経て約1か月半、ようやくこの日を迎えた。高校卒業後から海を渡った渡辺にとって初のBリーグ参戦。「このユニホームを着てプレーできることは光栄。優勝を目指して頑張っていきたい」と自身初となるタイトル獲得で貢献する決意を明かした。

 約20チームが動いたBリーグ史上最大規模の“争奪戦”が繰り広げられた。年俸は昨季の3億円を超えるまでに高騰した可能性がある。まずは「どのチームも魅力的なオファーを下さった」と感謝し、その中で「どこよりも千葉Jが熱量を下さったかなと感じている」と決断に至った経緯を説明した。

 昨季NBAでは終盤に精神面で苦悩。一時バスケができなくなり帰国、Bリーグ入りを決断した大きな理由になった。千葉Jはスポーツ分野のメンタルケアの専門家による支援を約束。「千葉Jは全力でサポートしたいと言ってくれた。『バスケを十分楽しめる環境をつくっていってあげたい』と。強調してくれたのは千葉Jだけだった」。今季から開業する1万人規模の新本拠地や、仲のいい富樫勇樹(31)の影響もあったが「仮になくても、僕は(千葉Jを)選んでいた」と素直に思いを語った。

 NBA時代は参加が限られた日本代表にもフル参戦可能で「招集された時は全力で」と28年ロス五輪まで駆け抜ける覚悟だ。NBAラプターズで指導を受けたグリーソン氏(56)が新監督に就任し「大好きなコーチ。一緒に優勝を目指していく」と渡辺にとって運命的な縁を感じる移籍。世界最高峰で6季戦った選手としてやるべきことは「元NBA選手として期待してくれると思う。日本バスケの発展につながっていけばと思う」と責任感を口にした。再出発の意味を込めて背番号「1」を選んだ渡辺が、日本バスケ界をけん引する。

 ◆渡辺 雄太(わたなべ・ゆうた)1994年10月13日、香川県出身。29歳。小1からバスケを始め、米ジョージ・ワシントン大卒業後の2018年7月、グリズリーズとツーウェー契約し、同年10月に日本人2人目のNBAデビュー。20年ラプターズとツーウェー契約、21年4月には本契約。22~23年ネッツ、23~24年はサンズ、途中でグリズリーズに移籍。五輪は21年東京大会、24年パリ大会出場。W杯は19、23年大会出場。22年に元フジテレビの久慈暁子アナウンサーと結婚。206センチ。

 ◆渡辺に聞く

 ―五輪前に負傷した左ふくらはぎの状態。

 「けがに関しては問題なくやれている。プレシーズンにはプレーしたい」―Bリーグでの楽しみ。「日本でも行ったことのない場所で試合もたくさんあると思う。どのチームも楽しみにしている」

 ―千葉Jはコート外でも選手がパフォーマンスをして盛り上げている。

 「あんまり僕のキャラではないかなと思っているんですけど、『やれ』と言われたら従うしかない(苦笑い)。強制だったらちゃんとやります」

 ―仲のいい富樫がXで“公開オファー”していた。

 「彼は僕をおちょくる形でやってたのかなと思う。一緒にやりたいって公言してくれるのは素直にうれしい。同じチームで、今まで以上により良い関係を築いていけたら」

 ◆千葉ジェッツ 本拠地は千葉・船橋市。2011年からbjリーグ、13年からはNBLに参戦、16年からBリーグ。天皇杯は17~19年、23、24年大会優勝。Bリーグのチャンピオンシップは20~21年シーズンに初制覇。今季から収容人数約1万人の「ららアリーナ東京ベイ」がホームに。19年に富樫勇樹が日本人初の1億円プレーヤーになった。

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