浦和・スコルジャ監督、８か月スピード復帰の裏側 ４年半で監督交代４度 主軸の大量流出 迷走１３位低迷

マチェイ・スコルジャ氏

　Ｊ１浦和は２７日、ペアマティアス・ヘグモ監督（６４）を解任し、後任に昨季指揮した前監督のマチェイ・スコルジャ氏（５２）が就任すると発表した。スコルジャ氏は退任から約８か月で異例の復帰。就任手続きの間は池田伸康コーチ（５４）が指揮する。今季のＪ１では横浜Ｍ、鳥栖に続き３クラブ目のシーズン途中の解任劇となった。

　今季就任したヘグモ氏は攻撃的サッカーを掲げたが、失点（２６試合３５失点）は大幅に増え、９勝８分け９敗の１３位と低迷。堀之内聖スポーツダイレクター（４４）は「現時点でのチームの完成度は後れを取っていると言わざるを得ない」と声明を出し、解任に至った経緯を説明した。

　浦和は強化責任者の交代、主軸の大量流出と迷走が続く。監督交代は４年半で４度目。スコルジャ氏は昨季、就任４か月でＡＣＬを制覇し、Ｊ１では最少の２７失点でリーグ４位、ルヴァン杯で準優勝と好結果を残しながら退任した。家族の事情が理由とされたが、補強が不調に終わったクラブへの不信感、ポーランド代表監督への打診も背景にあったとみられる。

　高い手腕とＪリーグでの実績があるスコルジャ氏の復帰はプラスだ。来年６月のクラブＷ杯に向けたチーム作りが可能。持ち味の守備構築に今季チームが培った高い攻撃力の融合を目指し、再建を図る。

　◆マチェイ・スコルジャ　１９７２年１月１０日、ポーランド出身。５２歳。２００２～０６年に同国代表アシスタントコーチを務める。母国クラブで監督を歴任し、２１―２２年の１部レフ・ポズナンなど計４度のリーグ優勝。２３年に浦和監督に就任。同年５月にＡＣＬ制覇。リーグ４位、ルヴァン杯準優勝、クラブＷ杯４位。同年限りで退任。趣味はＦ１観戦。身長１９０センチ。