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【ヤクルト】沢井廉 右膝手術から復活の適時打 起立から始まったリハビリ生活乗り越えた不屈の男

スポーツ報知 / 2024年8月27日 21時52分

5回1死一、三塁→5回2死一、三塁、二塁へ適時内野安打を放つ沢井廉(カメラ・今成 良輔)

◆JERAセ・リーグ ヤクルト2―5巨人(27日・神宮)

 ヤクルトは今季巨人から2勝を挙げていたGキラー・吉村貢司郎投手が4回4失点と試合をつくれなかった。今季初昇格となった沢井廉外野手が今季初安打、初適時打をマーク。右膝の故障から復活を印象づけたことが敗戦の中の光明だった。

 2打席凡退で迎えた5回だった。1点を返し、なおも2死一、三塁の好機。沢井は「何とか食らいついていこうっていう気持ちで入っていきました」と、山崎伊のフォークを一、二塁間に運んだ。打球は吉川に止められはしたが、内野安打で反撃の2点目をもたらした。大けがを乗り越えた苦労人にスタンドからは温かい拍手が注がれた。

 昨年10月のフェニックス・リーグの守備で長岡と激突し、右膝を負傷して救急搬送された。手術後、約1週間の入院。退院後は、車いす生活から地道なリハビリが始まった。最初はギプスがついた状態から起立姿勢となり、患部に体重をかける地道な動作を繰り返した。ギプスが取れた時は筋肉が萎縮して細くなっていた右足を見て、がく然とした。

 「先が見えない、長いリハビリになるなと思った」と覚悟したが、それでも「自分の課題に取り組んできた。一概にマイナスではない時間だった」とプラスに捉えた。

 ファームでは、青木に打撃フォームを見てもらい、上半身の使い方や手の動かし方について助言をもらった。1軍の舞台に再び戻ることを夢見て必死に汗を流した。決して腐らなかった。

 リハビリや体のケアに付き合ってくれたトレーナー、医学療法士ら支えてくれた人たちの顔が浮かんだ。「結果で返し続けていけるようにという強い思いはあります」と、さらなる恩返しを約束した。

 どん底からはい上がった不屈の男。114試合目にして、プロ2年目が幕を開けた。

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