藤井聡太王位の封じ手は本命▲５六歩 “永世二冠”目指し第５局２日目スタート

神戸・有馬温泉の「中の坊瑞苑」での第６５期王位戦七番勝負第５局２日目に臨む藤井聡太王位（右）と渡辺明九段（日本将棋連盟提供）

　将棋・藤井聡太王位＝竜王、名人、王座、棋王、王将、棋聖＝に渡辺明九段が挑戦している第６５期王位戦七番勝負第５局が２８日午前９時、兵庫県神戸市の有馬温泉「中の坊瑞苑」で前日から指し継がれた。

　１日目の２７日午後６時に先手・藤井が封じた４５手目は、大方の予想通り▲５六歩。渡辺の角頭に歩を突き、４筋に角を引かせた。形勢は藤井がややリードしている。

　今期の番勝負は藤井が〇●〇〇の星取。３勝１敗でＶ５に王手をかけている。藤井は７月に最年少＆初の永世称号を得た「永世棋聖」に続く「永世王位」（通算１０期でも可能）を、太閤・豊臣秀吉が愛した有馬温泉の地で達成するか。

　一方、渡辺は縁のなかった王位の初挑戦だが、カド番でもう後がない。今シリーズは無念の逆転負けもあったが、６回目のタイトル戦で最も藤井を苦しめている。王位戦の番勝負で２敗以上を許したことがない藤井に食らいつくか。

　持ち時間は各８時間。２日目開始時で残りは藤井４時間４分、渡辺４時間２０分だった。午後０時半から１時間の昼食休憩を挟んで、夜には決着する見込みだ。