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思い出のNYで大坂なおみが4年7か月ぶり涙のトップ10撃破 復帰後の不安吹き飛ばし「大きな自信になった」

スポーツ報知 / 2024年8月29日 5時0分

◆テニス 全米オープン 第2日(27日、ニューヨーク・ナショナルテニスセンター)

 2度の大会優勝を誇る世界ランキング88位の大坂なおみ(26)=フリー=が、4年7か月ぶりのトップ10撃破で初戦快勝だ。女子シングルス1回戦、17年全仏覇者で同10位のエレナ・オスタペンコ(27)=ラトビア=に6―3、6―2でストレート勝ち。トップ10からの勝利は、20年1月のブリスベン国際準々決勝で同9位(当時)のベルテンス(オランダ)に勝って以来。2回戦では同52位のカロリナ・ムホバ(28)=チェコ=と対戦する。予選勝者で世界217位の柴原瑛菜(26)=橋本総業=が、4大大会初出場初勝利を挙げた。

 わずか64分。圧巻だった。全く相手を寄せ付けない完璧なプレーで、大坂が4年7か月ぶりにトップ10を破る金星発進だ。3度目のマッチポイントが決まると天を仰ぎ、「ここに戻ってきたかった。この勝利は本当に大きい」と、こみ上げるものをかみしめた。

 オスタペンコと握手をしてベンチに戻ると、思わず涙があふれ、タオルで顔を覆った。「私はここ(ニューヨーク)で育った。自分にとって最高のホーム。大きな自信になった」と余韻に浸った。

 大坂の武器は、決定打も多いがミスも少なくない強打とサーブだ。しかし、この日の試合を通じて凡ミスはわずか5本。第1セットに至っては0本と、完璧な安定ぶり。加えて、エース9本にダブルフォルト0本と、自分のサービスゲームを一度も失わなかった。

 昨年の全米は出産後、約1か月だったが、準決勝を観戦した。女王になったガウフ(米国)が戦う姿を見て「この場所にできるだけ早く戻りたかった。でも、またこのレベルに戻れるか心配だった」と、1年前の胸の内を明かした。

 加えて13日に自身のSNSで、出産から復帰後、思うように勝てない悩みを打ち明けた。「自分の体が自分のものではない不思議な感じがする」と投稿。「ラケットは腕の延長だったが、今は違ったもののように感じる」と違和感を明かしていた。だが、その不安をこの日の勝利がすべて吹き飛ばしてくれた。

 7月2日に、長女・シャイちゃんが1歳の誕生日を迎えた。ニューヨークにも同行しており、「昨晩はなかなか寝付けなくて、しばらく抱いていた」。会場のそばで育ったかつての小さな自分を、まな娘の姿に重ね合わせた。「感動した」。思い出の場所から、大坂が復活する。

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