「初めてです」西武先発・渡辺が傘持ちお立ち台…ロッテに開幕１７戦目勝った

傘を差してインタビューに応じる渡辺勇太朗（カメラ・越川　亘）

◆パ・リーグ　ロッテ０―８西武（２９日・ＺＯＺＯマリン）

　見続けてきた悪い夢からようやく覚めた。上田が最後の打者を仕留めた瞬間、今季初めてＺＯＺＯの三塁側ベンチで西武ナインの歓声が上がり、笑顔がはじけた。ロッテ戦連敗を１６でストップ。降りしきる雨に打たれながら、ベンチの最前列で身を乗り出して戦況を見守った渡辺ＧＭ兼監督代行は「何とか１勝。長かったなという感じはします」としみじみとした口調で振り返った。

　試合後、お立ち台に上がった先発の渡辺は右手に傘、左手にマイクを持って珍しい光景のヒーローインタビューに応じ「初めてです」と笑みを浮かべた。キレのある速球、変化球をテンポよく投げ込んで連打を許さない。６回２死二塁でソトが放ったライナーが右足首付近を直撃。ベンチで治療を受けてマウンドへ戻ったが、投球練習で痛みを覚えて降板。「投げきりたかったのですが…。自分が連敗を止めるというくらいの気持ちで投げました」と約２か月ぶりの２勝目に表情を崩した。救援陣も前日（２８日）、暴投で失点した平良、ボーが７、８回に登板して無失点で切り抜けた。「すぐに結果を出してくれてよかった。（前日のことを）早く忘れてほしいと」と監督代行。５投手の完封リレーで打線も１４安打でこのカード最多の８得点。やっと投打がかみ合った。

　連敗は止まったとはいえ、９月は２３試合中８試合もロッテ戦を残す。「まずは１試合１試合勝っていくだけ」と監督代行。最後の最後までファイティングポーズは崩さない。（秋本　正己）