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「3年目だし、もう新人ではない」DeNA21年ドラ1右腕の葛藤と現在地 4月初登板もプロの洗礼…右脇腹痛から復活

スポーツ報知 / 2024年9月1日 8時0分

4月10日・中日戦、プロデビュー戦は3回途中5失点で降板した小園(右)(中央は三浦監督、左は松尾)

 各担当記者の推し選手を紹介する「推しえて」第10回は、DeNA・小園健太投手(21)。高卒3年目の今季、4月10日の中日戦(横浜)で1軍初登板初先発も3回途中5失点で負け投手に。その後、2軍で調整するも右脇腹痛を発症。現在はリハビリを経て実戦復帰。21年ドラフト1位右腕の葛藤と現在地に迫った。(取材・構成=内藤 菜月)

 DeNAファンの誰もが待っていた。1軍デビューとなった4月10日の中日戦。三浦監督から引き継いだ背番号「18」が8年ぶりにハマスタのマウンドに帰ってきた。プロの洗礼を受け、2回2/3、7安打5失点。小園は高卒3年目の現在地を認識した。

 「ストレートの状態はすごく良かったし、いい力感で投げていた。でも、再現性というか、良いボールと悪いボールがはっきりし過ぎていた。良い球がいった時はファウル、空振りを取れたけど、やっぱり悪いボールはすぐはじかれてしまった。変化球の制球力もアバウトになって四球を出した。自分はまだまだだなと思いました」

 1試合で降格。さらなる成長へ向け鍛錬を続けていた矢先に右脇腹痛を発症。なかなか順調に進まない。

 「『もう一回しっかりやるぞ』っていう時にけがをした。すごくもどかしかったですし、やっぱり投げたいなという気持ちはすごく強かったです。今は、しっかりリハビリしてやっと投げられている。自分の感覚はまだ戻ってきてないところはありますけど、そこは練習で一つずつやっています」

 挫折を感じた中、心の支えになったのが今季から就任した入来祐作2軍チーフ投手コーチの存在だった。投げられない時も声をかけてくれた。

 「入来さんは選手一人一人にすごく親身に寄り添ってくれる。自分は『トレーニングも全力でやるように』とずっと言われています。長いシーズンを投げるためには『キャッチボールも全力で』とずっとずっと言われている。入来さんが来てから自分の考え方も変わったと思います」

 現在は入来コーチの助言も受け、再び1軍の舞台に戻るために課題の克服に挑戦している。

 「自分はどうしても下半身の使い方がうまくない。右足でしっかりプレートを押すためにも、スクワットなどをしっかり深いところまでと言われていて、すごく意識して取り組んでいます」

 同コーチからの言葉を胸に、投球中のメンタル面での安定も心がけている。

 「相手のリズムに乗ってしまったり、不安定なところがある。『コツコツ投げろ』と結構、言われていて、すごくそこは気にしているところです」

 技術面ではスライダーを改良中。手応えも感じ、光が見えてきた。

 「球種の中で何が通用していなかったか。対応されていたと感じたのはスライダー。カーブやフォークは見逃しや空振りを取れる部分はあったけど、スライダーに関しては全然。手応えが全くなかったので取り組もうと。今はスライダーで打ち取れる回数も増えてきて、左打者、右打者問わず投げるという状況はできてきている」

 握りを変え、曲がり幅も変化した。球速も4キロほど上がり130キロ台前半に。現役時代にスライダーが得意であったコーチの助言で大きな武器になりつつある。

 「東野さん(2軍投手アシスタントコーチ)に話を聞いて握り方、投げ方を教えてもらったところが結構、大きい。しっかり真っすぐのラインに乗せて投げられている。曲げよう曲げようとすると膨らんでしまうけど、結構、曲がってるなっていうイメージ。いい球種になってきてるかなと。カウントを取る時、空振りを取りたいという時と、少し曲がり幅を変えて投げたりしている。扱えてきてるんじゃないかなっていうのはあります」

 背番号「18」を背負う者の使命は絶対的エース。右腕は着実に歩みを進めている。

 「3年目だし、もう新人ではない。自分としても戦力にならないと厳しい立場だと分かっている。アピールするのは試合しかない。良い投球を毎週続けるのが目標です。良い投球をしても、(次に)悪い投球になるので1軍に呼ばれてない。良い投球を続けていればチャンスは絶対に回ってくると思う。そこは意識してやりたい」

 ◇小園のプロ初登板 4月10日の中日戦。初回2死一、二塁で細川に左前適時打を許すと、2回は3連打で無死満塁とするなど2失点。3回2死一、二塁で投手の松葉に右前適時打を許し降板した。直球の最速は147キロで「気持ちで負けてしまった。自分の弱さが出た」と反省。

 ◆小園 健太(こぞの・けんた)2003年4月9日、大阪・貝塚市生まれ。21歳。貝塚市立中央小1年から軟式野球を始め、貝塚市立第一中では硬式の「貝塚ヤング」でプレー。3年夏に全国制覇。市和歌山では1年春からベンチ入りし、3年春のセンバツ出場。21年ドラフト1位でDeNA入団。185センチ、90キロ。右投右打。年俸910万円(推定)。

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