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相手投手も脱帽…大谷翔平の初回先頭44号から3者連発に「ベストではない状態でトップ3と対戦するのはタフなこと」

スポーツ報知 / 2024年9月2日 1時0分

◆米大リーグ ダイヤモンドバックス6―8ドジャース(31日、米アリゾナ州フェニックス=チェースフィールド)

 ドジャース・大谷翔平投手(30)が31日(日本時間9月1日)、敵地Dバックス戦に「1番・DH」で出場。2戦連発の44号先頭打者本塁打でベッツ、フリーマンとの球団史上初、試合開始直後の3者連発を呼び込んだ。8月初旬は不振と言われたものの、12本塁打、15盗塁でともにメジャー最多をマーク。57年ぶりの快挙を成し遂げ、「ヒリヒリした」優勝争いの待つ9月に突入する。

 バットを振り抜き、動きを止めた。騒然とする敵地の中で大谷は“確信”していた。0―0の初回。フルカウントからの8球目、ケリーの甘く入ったカーブを完璧に捉えた。打球速度108・9マイル(約175・3キロ)、角度35度、飛距離420フィート(約128メートル)で中堅フェンスを越えた。通算11本目の先頭打者本塁打は2戦連続、球団単独4位となる44号ソロ。最強打線に火をつけた。

 球場に衝撃が残る中、2番・ベッツが2球目を左翼席へ14号ソロ。さらに、3番・フリーマンは初球を右翼席へ19号ソロとした。ドジャース史上初の初回先頭からの3者連続アーチ。MLB公式サイトでケリーは「ベストではない状態でトップ3と対戦するのはタフなこと」とコメントしうなだれた。

 ド軍の象徴でもある「MVPトリオ」は1番から10年総額7億ドル(約1020億円)の大谷、12年総額3億6500万ドル(530億円)のベッツ、6年総額1億6200万ドル(240億円)のフリーマンと合計12億2700万ドル(1790億円)の3人が並ぶ。試合後、地元記者から「大枚をはたいて獲得した選手が活躍している」とチクリと言われたロバーツ監督は「スターになるのには理由があるし、彼らは活躍してお金を稼ぐ。それが彼らの仕事だよ」と看板選手の働きに胸を張った。

 3―4と逆転された直後の2回無死満塁で同点の中犠飛を放った大谷はこの日2打点。オズナ(ブレーブス)に並ぶ98打点とし、再び本塁打との2冠に躍り出た。調子が上がらず、不振と言われた8月は月間打率2割3分5厘だったが、6月に並ぶ今季月別最多の本塁打、自己最多の15盗塁はともに両リーグトップ。MLB公式サイトのS・ラングス記者によると、同じ月に本塁打と盗塁がそろってメジャー最多となったのは1967年4月のL・ブロック(カージナルス)以来57年ぶりの快挙だ。大谷も「いい形で振れている」と復調を宣言していたが、年間52発&51盗塁ペース。前人未到の「50―50」も視界に捉えている。

 ナ・リーグ西地区首位を走るドジャースは同2位・Dバックスとの直接対決に連勝し、ゲーム差を6に広げた。3年連続の地区優勝へマジック21。渡米7年目で初のシーズン勝ち越しも決まった。待ち望んだ「ヒリヒリする」9月も重圧をはねのけ、打ちまくる。(中村 晃大)

 ◆初回先頭から3者連続本塁打 MLBでは過去に8度の例がある。最近はメッツが22年10月4日のナショナルズ戦で1回裏に1番・ニモ、2番・リンドア、3番・マクニールがエスピノから記録。またNPBでは5度(表1、裏4)。表は64年7月17日に阪急で、1番・衆樹(もろき)、2番・河野、3番・スペンサーが南海戦(大阪)で杉浦から記録。セの4度はいずれも裏で、65年8月13日の大洋が阪神戦、89年6月4日の広島が大洋戦、95年10月1日の中日が横浜戦、20年9月20日のヤクルトが広島戦だった。

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