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「日本人史上初のウエルター級世界王者になる男」佐々木尽、7回TKO勝ち 2冠防衛で前進「待ってろ! 世界!」

スポーツ報知 / 2024年9月3日 17時40分

3回、ラッシュを仕掛ける佐々木尽(カメラ・小林 泰斗)

◆プロボクシング ▽東洋太平洋&WBOアジアパシフィック・ウエルター級(66・6キロ以下)タイトルマッチ12回戦 2冠王者・佐々木尽―カミル・バラ(3日、東京・有明アリーナ)  

 東洋太平洋&WBOアジアパシフィック・ウエルター級王者・佐々木尽(八王子中屋)が7回52秒、TKO勝ちで挑戦者で東洋太平洋8位、WBOアジアパシフィック10位カミル・バラ(オーストラリア)の挑戦を退け防衛を果たした。自己紹介で名乗る「日本人史上初のウエルター級世界チャンピオンになる男」にまた一歩、近付いた。

 戦績は23歳の佐々木は18勝(17KO)1敗1分け、35歳のカミルが15勝(8KO)2敗1分け。

 佐々木は昨年5月からの米国ラスベガス合宿中に左肩の腱板を断裂。7月に行われた星大翔(角海老宝石)との2度目の防衛戦に11回TKO勝ちした後、内視鏡手術を行った。今年5月にジョー・ノイナイ(フィリピン)との防衛戦は5回TKO勝利。しかし、「正直、左肩は60%くらいだった。今は90%から100%近い」と完全復活を宣言していた。

 けがを経験したことで「右(のパンチ)も強くなったし、ボクシングに対して色々考えるようになってレベルも上がった」と振り返る。昨年の手術後には渡米。テレンス・クロフォードがエロール・スペンス・ジュニア(ともに米国)を下し、ウエルター級4団体統一を果たした試合を現地観戦した。「ここの舞台で世界王者になるんだと思いました」。現在、WBO3位、WBAとIBFが4位、WBC5位と世界主要4団体で世界ランク入りしており、日本人初となるウエルター級での世界王者を目指している。

 「井上尚弥さんのようなスーパースターになりたい。そのためにも大勢の観客の前で、この人面白いな、この人応援したいって思ってもらえるような試合を見せて存在感をアピールしたいです」とこの日の試合に臨んでいた。

 試合は3回に左フックが完璧にヒットし、カミルがダウン。さらに、ボディー攻撃などで王者が一気に主導権を握った。7回に再びフックから流れをつかみ、最後も左フックをヒットし、カミルが倒れたところでレフェリーが試合を止めた。

 今回、メインカードに登場する世界4団体スーパーバンタム級統一王者・井上尚弥(大橋)に、スーパースターになることが目標。「自分を知らない人にも『応援したい』『面白い』と思ってもらえるようにアピールしたい」という言葉の通り、闘志あふれる試合で強烈な印象を残した。

 試合後はリング上で、トップランク社のボブ・アラム氏に「アイ ウォント タイトルマッチ」と世界戦を直談判。「中量級でまだ(日本人の世界王者は)1人もいない。そこを目指す、自分のストーリーを知ってもらいたかった。SNSとかフォローして応援してもらえたらうれしい。待ってろ世界!」と叫んだ。最後は英語で、「日本人初のウエルター級世界チャンピオンになる男」とアピールした。

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