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「全てのことが報われた」4大会連続出場の池崎大輔感無量 車いすラグビー準決勝の壁乗り越え悲願の金 

スポーツ報知 / 2024年9月4日 5時0分

◆パリパラリンピック ▽車いすラグビー決勝 日本48―41米国(2日・シャンドマルス・アリーナ)

 第6日の2日、車いすラグビーで初の決勝に臨んだ日本が米国に48―41で勝って、金メダルを獲得した。2016年リオデジャネイロ、21年東京両大会はいずれも銅メダルで悲願成就となった。第1ピリオドに3点のリードを許したが、前線から激しく当たって重圧をかけるスタイルを貫き、チーム最年少22歳の橋本勝也(日興アセットマネジメント)のチーム最多18得点などで、最後はこの競技では大差の7点差をつける鮮やかな逆転勝利。今大会4個目、団体競技では初の金メダルを日本にもたらした。

 悲願を成し遂げ、震えるまぶたを閉じた。4大会連続出場の第一人者の池崎大輔(46)=三菱商事=は「これだけのために、今までつらい練習を積んできた。全てのことが報われた、幸せな瞬間だった」と感無量となった。池崎との“イケイケコンビ”で日本をけん引してきた司令塔の池透暢(ゆきのぶ、44)=日興アセットマネジメント=は、主将として3大会目の大舞台で悲願達成。リオ、東京の銅メダルからたどりついた黄金の景色に「(過去2大会でも)一つも悔しさがなく、全てが素晴らしかった」と涙した。

 鉄のかたまりのような車いす同士の激突で火花が散るほど激しい競技に、ついた異名は「マーダーボール(殺人球技)」。湧き起こる「ニッポン」コールに背中を押され、世界一と誇る守りを証明した。攻撃側が圧倒的に有利な競技で東京大会銀メダルの米国のミスを誘い、じわじわと点差を縮めた。第3ピリオド以降はプレッシャーをかけ続けた効果が表れ、焦りと疲れが見えた相手に次々とミスをさせた。敵陣でアグレッシブに守る戦術の土台を築いたのは、東京大会を率いた米国出身のオアー前監督だった。昨年、健康上の理由で退任となった後も「俺たちでやらないといけない」(池)と、レガシーは受け継がれた。

 一戦、一戦が入魂の戦いだった。準決勝は16年リオ準決勝で敗れた強敵、世界1位のオーストラリアに逆転勝ち。当時選手だった岸監督が「準決勝の壁は、我々の中で呪文のようにある」という正念場で勝ちきり、決勝に向けて勢いをつけた。

 「世界一になって、一番輝いている姿を日本に届ける」。池崎が公言し続けた決意は花の都から届いた。

 日本代表でただ一人の女子、倉橋香衣(かえ、33)=商船三井=が「コートに出られて楽しかった」と喜びを爆発させた。

 トランポリン選手だった大学3年の時、練習で着地に失敗し頸髄(けいずい)を損傷した。3年近いリハビリ生活の中で競技を知った。興味を示したところ、リハビリ施設のスタッフから「女の子が世界を目指すのは無理」と一蹴された。その言葉で「やってみなきゃ、分からん」と負けん気に火が付き、2015年から本格的に競技を始めた。「女子はいいよな」。代表に選ばれると、漏れた選手から嫉妬やねたみを買ったこともある。気に病んだが「経験、性別、年齢、障害の状態も関係ない。みんな一緒」と選手を横一線で見るケビン・オアー前監督の言葉に救われた。「やっと人として見られた」。一人前に扱われることが、うれしかった。

 日本車いすラグビー連盟によると、女子の登録選手はわずか7人。女子の第一人者は「女の子を募集中。これをきっかけに、車いすラグビーをやってみたいという女性が増えてくれれば」と呼びかけた。

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