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【箱根への道】主力5人卒業した駒大を篠原主将が強くする…海外練習辞退で夏合宿参加「最後は駒沢の力に」

スポーツ報知 / 2024年9月6日 6時0分

練習後にプールでアイシングする(左から)伊藤、篠原、桑田

 来年の第101回箱根駅伝で2大会ぶりの王座奪還を狙う駒大にとって、勝負の夏合宿だ。今季は5月の関東インカレで入賞者が2人と大苦戦。エースで主将の篠原倖太朗(4年)は、師事する大八木弘明総監督(66)チームの海外練習にあえて同行せずに、駒大の全体合宿に残った。1年生にして篠原と同じメニューをこなす桑田駿介、3年生エースの伊藤蒼唯ら主力も向上心を持って練習に取り組み、駒大は着実に底上げ中。“令和の常勝軍団”は夏を再起への分岐点とする。

 箱根路を見据えた勝負の夏だった。駒大は例年通り8月16~22日に野尻湖、28日まで標高1680メートルの志賀高原で全体合宿を敢行。先頭集団にはチームを引っ張る主将・篠原の姿があった。「駒沢で強くしてもらった。最後は駒沢の力になって卒業したい」。7月はスイス、8月は米国で大八木総監督率いる少数精鋭のチーム「G goat」の合宿があったが辞退して駒大合宿に参加。「皆、少しずつ高いレベルで練習できるようになっている。少しずつ、良くなっている」と実感を込めた。

 強い危機感だった。昨季は出雲、全日本は1区から一度も首位を譲らない完全優勝。箱根は準優勝も、今季は前半のトラックシーズンから苦戦。5月の関東インカレは入賞者が5000メートル5位の桑田、1500メートル8位の工藤信太朗(2年)のみ。7月に5000メートルで13分27秒04の自己ベストを出しハーフでは日本人学生記録を持つ篠原、1万メートルでU20日本歴代2位の佐藤圭汰(3年)らトップ選手は順調も、中堅層が停滞。篠原が責任感から、海外合宿ではなくチームに残る決意を固めたのも、関東インカレ直後だった。

 今年の箱根を走った主力5人が卒業し、3大駅伝経験者が少ない。「強い人たちが抜けて『自分にチャンスが回ってくる』と捉えてほしい」と篠原。温厚な性格だが「ちょっと厳しいことは言ったりします。やるべきことをやっていない時とか」と生活面でもチームをけん引。藤田敦史監督(47)は「彼の引っ張る姿勢は本当にありがたい」と全幅の信頼を置いている。

 チームは変わり始めた。1年時の箱根で6区区間賞の伊藤は「練習に慣れが出て、結果が出なくなってきた。やるしかない」と夏合宿からレベルを上げ篠原と同じメニューを消化。成長株の桑田も共に走り「篠原さんは、まだまだ余裕がありそう」と先輩の背中を見ながら進化中。「朝のジョグだけでも」と篠原のペースにつくなど、意欲を持った下級生も現れ、チームの底上げも進んでいる。

 頼もしい男も帰ってくる。米国で練習中の佐藤は9月中旬に帰国予定。大八木総監督も「順調です」と明かし、駅伝シーズンも主軸を担う。「まずは出雲を取って、『俺たちはまたやれるんだ』という思いが持てれば全日本、箱根と良くなっていく」と藤田監督。勝負の夏を一丸で乗り越え、藤色のタスキが再び輝く。(手島 莉子)

 ◆駒大 1964年創部。箱根駅伝は67年に初出場して以降、連続して出場。総合優勝8回。全日本大学駅伝優勝16回、出雲駅伝優勝5回。2022年度に史上5校目の学生駅伝3冠を果たすなど通算29勝。練習拠点は世田谷区。タスキの色は藤色。主なOBはブダペスト世界陸上1万メートル代表の田沢廉(トヨタ自動車)、東京五輪マラソン代表の中村匠吾(富士通)。

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