「最高の結果」巨人・岡本が決勝3ラン 今季3本目の右方向への一発を生んだ試合前のルーチン
スポーツ報知 / 2024年9月6日 5時10分
◆JERA セ・リーグ 巨人3―0ヤクルト(5日・岐阜)
一振りで均衡を破った。岡本和が岐阜の夜空に放物線を描き、首位浮上へとチームをいざなった。両軍無得点の5回2死一、三塁。初球、山野の真ん中高め147キロ直球を捉え、逆方向の右翼席へたたき込んだ。8月27日のヤクルト戦(神宮)以来、6試合ぶりの22号3ラン。岐阜城がそびえる壮大な景色を背景に、頼もしい主砲が一層映えた。
「戸郷が頑張って抑えていたので、どうにか先に点を取ってあげたかった。最高の結果になって良かったです」
逆方向への一発は今季3本目。8月17日のDeNA戦(横浜)以来だった。8月下旬から丁寧に打ち返すことをテーマに、試合前練習のフリー打撃で最初の3セット、約15スイングは中堅から右方向へ打つことがルーチン。取り組みが実ったかのようなアーチで、シーズン自己最多となる今季17度目の勝利打点だ。本塁打数はリーグトップのヤクルト・村上に1本差に迫り、打点はリーグ単独トップに浮上した。
自然と目に入っていた。今季最後の地方開催の舞台は岐阜。球場から長良川を越えた先に金華山があり、その山頂には織田信長が天下統一の拠点とした岐阜城が立っている。「暗くなってもあそこだけ光ってたんで、あれなんやろうと。すごいな、なんやろって」。試合中、一塁の守備に就きながら左翼のはるか後方にある城を見つめていたという。信長が拠点にしたことを伝え聞くと、「そうなんですね。すげぇ」と感嘆。勝負師の魂が宿る地での負けられない一戦で、気迫の一撃で勝負を決めた。
主将の決勝アーチでチームは連敗を止め、首位に立った。直近の試合では得点力不足に苦しんでおり、嫌な流れを振り払った一発に、阿部監督は「大きなホームランでした。なかなか打線が機能していなかったので、ああいうホームランは大きい」とうなった。シーズンは残り21試合。優勝争いは佳境を迎え、“セ界統一”への道も開けてきた。「打てる、打てないはあると思いますけど、自分のやるべきことをしっかりやっていきたい」。4番が先頭に立って戦国セ・リーグを勝ち抜いていく。(宮内 孝太)
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