【ＤｅＮＡ】チームを一つにした牧の言葉と筒香の鼓舞 首位と８・５差から１２日間で４・５差に

１１回、サヨナラの押し出し四球を選び、チームメートから手荒い祝福を受ける伊藤（カメラ・佐々木　清勝）

◆ＪＥＲＡ　セ・リーグ　ＤｅＮＡ４×―３広島＝延長１１回＝（５日・横浜）

　大きな大きな“秀悟コール”に応えた。２―３の延長１１回無死一、二塁。ＤｅＮＡ・牧秀悟内野手（２６）は外角低めの１３１キロカットボールを左中間へはじき返した。同点の適時二塁打に塁上では感情のままに雄たけびを上げまくった。押し出し四球での逆転サヨナラ勝利を呼び起こす一打に「今日は絶対負けられなかった。必死に打とうとした結果」。広島に３タテを食らわせ首位から引きずり下ろし、８月２５日のヤクルト戦（神宮）から中止を挟んで怒とうの６連勝。４時間１７分の死闘を制し、８・５あった首位とのゲーム差を１２日間で４・５差まで縮めた。

　主将の一声がチームを一つにした。８月２７日の阪神戦の試合前。終盤戦の追い上げを期して、ミーティングで「勝ち切る覚悟」というスローガンを掲げた。台風１０号の影響で２９日から異例の４試合連続中止。５日間試合が突然なくなったが、練習日の１日に経験豊富な筒香が広島戦へ向け「もう一段ギアを上げよう」と再びチームを鼓舞。逆転Ｖへの思いがチームを最終盤で結束させた。

　最終盤に首位の座をはっきりと視界に捉えた。５回には自身の失策でピンチを招いていた牧も「やり返してやる」とバットでミスを帳消しにするなど勝利への執念はチーム全体に広がっている。「今はチーム全体で目の前の試合１試合を戦うことに徹している。こう勝てたのは勇気になるし、次のカードにも良い形で入れる」。この試合で昨年を１試合上回る、球団史上最速のシーズン観客動員数２００万人も達成。大歓声を味方に付け、目の前の敵を倒していく。（内藤　菜月）