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江戸時代にタイムスリップ 弥次さん喜多さんと会いに行こう…岡部宿・東海道五十三次・静岡の宿場町新名物

スポーツ報知 / 2024年9月7日 10時36分

館内に入ると、弥次さんと喜多さんの人形が出迎えてくれる

 東海道五十三次の静岡県内にある地点ごとに注目のスポットなどを取り上げる企画(随時掲載)の今回は、県内11番目の「岡部宿」で「岡部宿 大旅籠柏屋(おおはたごかしばや)」を訪問した。1998年に国の有形文化財に登録、2020年には「弥次さん喜多さん、駿州の旅」として日本遺産の構成文化財の一つとなった名所で、今と昔が混在する岡部の魅力を知った。

 江戸時代の風情が残る岡部でタイムスリップ体験をした。「大旅籠柏屋」に足を踏み入れると、2度の焼失を経て江戸時代後期1836年に再建された時のまま。当時は宿泊施設として使われ、その後は質屋、郵便局として営んでいた。

 増田道憲館長(65)に、同施設や地域の魅力を聞いた。「江戸時代の旅籠はどういうものか、見てもらえたらうれしい」。歌川広重の浮世絵「東海道五十三次」とともに旅ブームを起こした十返舎一九の滑稽本「東海道中膝栗毛」の登場人物の弥次さん、喜多さんの人形が、まず出迎えてくれる。

 「大旅籠柏屋」は、大名や公家など身分が高い人が宿泊していた「本陣」が近くにあり、家来の武士や庶民が宿泊していた。館内の説明で庶民と武士の施設での格差を知った。当時の道具や旅行者装備の展示、曜日限定で五右衛門風呂での足湯体験、旅人などの“コスプレ”も可能。体験型展示で、江戸時代の旅人気分を味わった。

 増田さんは10年ほど前、仕事の合間に東海道五十三次を歩いたという。前宿場の鞠子(まりこ)から岡部までの間に標高151メートルの難所・宇津ノ谷峠がある。「(宇津ノ谷峠は)東海道五十三次の峠越えで唯一舗装されてない」とアピール。1590年に豊臣秀吉が造り、のちに江戸時代で整備された東海道に加え、7世紀頃から峠越えの道としていた「蔦の細道」がある。

 「時代、時代の道が残るのも岡部の面白さの一つ」と増田さん。他に1876年(明治9年)に開通した日本初の有料トンネル「明治のトンネル」(現在は通行止め)に続き大正、昭和、平成と4元号のトンネルが集約する珍しい地でもある。今度は道を歩き、歴史の変遷を知りたくなった。

(伊藤 明日香)

 ◆大旅籠柏屋 開館時間は午前9時から午後5時。月曜、年末年始は休館。入館料は大人300円、中学生以下は無料。住所は藤枝市岡部町岡部817。JR東海道線の静岡駅から中部国道線「藤枝駅」行き、または藤枝駅から「静岡駅・新静岡バスターミナル」行きバスに乗車し、「岡部宿柏屋前」で下車。

 ◆岡部宿 東海道21番目の宿場。徳川家康が東海道に全国統一政策として伝馬制度を制定した翌年の1602年(慶長7年)に開設。難所・宇津ノ谷峠がある宿場として栄えた。「東海道中膝栗毛」によると、大井川が増水して渡河が禁止された際は多くの旅人が滞在したという。

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