勝っても緩めない高橋由伸氏「１９残塁はどうにかしないと」 ３回の攻撃改善が優勝への条件

３回無死一、三塁、一邪飛に倒れる岡本和真（カメラ・小林　泰斗）

◆ＪＥＲＡ　セ・リーグ　巨人３×―２ＤｅＮＡ＝延長１２回＝（７日・東京ドーム）

　結果、激戦になった。負けたと思ったら土壇場で相手がミスし、中山の同点打、最後はオコエが劇的に決めた。だが、そもそも点を取れるところで取っていれば、阿部監督も苦労しなかったはず。優勝を目指す上で「１９残塁」はどうにかしないといけないな。

　あえて３回を挙げる。無死一、三塁で岡本和は一邪飛に倒れた。ここは、和真が何とかしないといけない。内野は「１点ＯＫ」で後ろに下がり、併殺狙い。転がすだけで点が入った。「転がせば…」なんて和真には求めてないが、最低でも事は動かさないとダメ。初回、２回と好機をつくり、残塁が続く重い流れ。１点でも取れば、一気に巨人ペースになっていたと思う。

　この試合は、強引に引っ張る姿が目立った。４番としてチームを先導したい気持ちは分かるが、バットよりも体で振っているように見えた。１死満塁で同じく一塁ファウルフライの坂本もそう。全体的にバットが出ず、打つポイントが近い印象だった。２人とも責任感は人一倍強い。勝負の９月に入って、一段と力みが増しているように映る。

　延長戦では、層の厚さが勝敗を分けた。中山が救い、横川が抑えてオコエが決める。想像できただろうか。なおさら、やるべきことさえやれば、優勝できると確信した。（スポーツ報知評論家・高橋　由伸）