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巨人・阿部監督「将来チームが困った時に打つバッターになってほしい」好機で凡退も19歳フル起用のワケ

スポーツ報知 / 2024年9月8日 5時10分

延長12回をサヨナラ勝ちし満面の笑みを見せる阿部監督(カメラ・宮崎 亮太)

◆JERA セ・リーグ 巨人3×―2DeNA=延長12回=(7日・東京ドーム)

 充実感と心地いい疲労感を手に、阿部慎之助監督(45)は会見場に現れた。2―2の延長12回2死、オコエのサヨナラアーチで死闘を制した。「僕も我を忘れてベンチから飛び出してしまいました」。負ければ首位陥落、4位DeNAにも3・5差と迫られる一戦を、総力戦でもぎ取った。

 苦しい試合だった。坂本が満塁で2度、岡本和が得点圏で2度、そして浅野が得点圏で3度凡退した。積み重なった残塁数は19。2リーグ制後では、1999年5月19日のヤクルト戦(神宮)の20に次ぐワースト2位だった。「そう簡単には相手も打たせてくれないしね」と、かばったが、悪い流れで試合は進んでいった。

 そんな中、執念の采配が勝利を引き寄せた。1点を追う9回、守護神の大勢を36登板目で今季初めてビハインドの場面で送り出した。絶対に勝つというメッセージを込めた。「そうだね。何が起こるか分からないしね」。右腕が3人で抑えると、その裏に失策も絡んでつかんだ好機で中山が同点打。「相手も(一塁手の)オースティンのポロってやつ(記録は三塁・柴田の失策)から同点になったしね。反面教師じゃないけど、やっぱりああいうところが大事になると、みんな思ってほしいな」と勝ってかぶとの緒を締めた。

 目の前の勝利とともに、チームの先も見据えていた。得点圏で凡退していた浅野を最後まで起用し続け「あえてずっと使っているのは糧にしてもらいたいから。将来、ああいうところでチームが困った時に打つバッターになってほしいから」。そしてこう加えた。「だから今までの練習が足りないってことですよね。それを分かってほしい」と19歳に注文をつけた。

 残り20試合。優勝へ負けられない戦いが続く。「もう全員で今日のような試合を毎試合、総力戦でやりたいと思っています」。阿部巨人が、また一回り強くなった。(井上 信太郎)

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