【高校野球】仙台一が最後の宮城県大会切符…エース・及川啓史郎が１失点完投

最後の県切符をつかみ、笑顔の及川（右から２人目）ら仙台一ナイン（カメラ・秋元　萌佳）

◆高校野球◇秋季宮城県大会中部地区予選　▽代表決定戦　仙台一２－１仙台二（８日・宮城広瀬）

　代表決定戦で仙台一が仙台二との伝統校対決を２―１で制して最後の県切符を手にした。先発したエース・及川啓史郎（２年）が７安打を浴びながらも１失点で完投し、勝利を呼び込んだ。決勝では東北が東北学院に８―３で勝利した。

　仙台一のエース・及川が投げた１３９球目は鋭い打球になった。９回１死一塁で「抜けたと思った」当たりは一塁手のグラブにすぽりと収まり、一直併殺打で試合終了。笑顔の仲間に囲まれ「助けてもらいながら抑えることができて本当に良かった」と息を吐いた。

　立ち上がりに苦戦し、３回には犠飛で１点を先制され「焦りもあったけれど、一つ一つアウトを取ろう」と切り替え。４回１死満塁では自ら中犠飛を放って同点に追いつくと、５回には女房役の金子雄晴主将（２年）が１死二塁で左前適時打を放って勝ち越した。中盤からはスライダーを中心に変化球を増やして的を絞らせず、「最後までしっかり投げ切れた」と７安打を浴びながらも１失点で完投。定期戦を行う伝統校同士の一戦に、応援団も駆けつける中で県切符をつかみ「応援が力になった。特別な雰囲気で試合することができた」と笑顔で振り返った。

　昨秋は１７年ぶりに秋の東北大会に出場し、センバツの東北地区２１世紀枠候補に選出されながらもあと一歩届かなかった。新チームの目標は「自力でセンバツ」。目標のスタートラインに立ち、及川は「エースとしてチームを勝たせる投球を続けたい」と、県大会でもチームのために右腕を振る。

（秋元　萌佳）

　○…東北は東北学院に８－３。２本塁打を含む１４安打と打線が爆発し、頂点に立った。１―２の４回、７番・辻隆己二塁手（２年）が「打った瞬間に行ったと思った」という右越え２ランで逆転。６―３の９回１死には、４番・川原輝陽（きよ）一塁手（２年）がダメ押しのソロ弾。高校初本塁打に「もう１点ほしいところでしっかり打てて良かった」と笑顔で振り返った。県大会に向け、辻は「しっかり点に絡むプレーがしたい」、川原は「県大会が本番。自分たちのプレーをできるように頑張りたい」と意気込んだ。