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小林邦昭さん、4年前の取材で明かしていた「アントニオ猪木」へのあこがれと敬意

スポーツ報知 / 2024年9月10日 9時35分

昨年10月30日に「SSPW」の新宿大会で初代タイガーマスク(中央)、山崎一夫氏(右端)と共にリングに上がった小林邦昭さん

 新日本プロレスなどでジュニアヘビー級で活躍した小林邦昭さんが亡くなった。

 小林さんを取材したのは2020年夏だった。プロレス人生を振り返る「ヒストリー」の連載で東急大井町線等々力駅前の喫茶店でお会いした。

 2時間を超えるインタビューの最後、小林さんは自身のスマートフォンを取り出した。そして「これ見てよ」と待ち受け画面を私の目の前につきだした。

 そこにあった写真は、アントニオ猪木さんがタイガー・ジェット・シンに卍固めを極めた一枚だった。

 「これがプロレスラーなんです。頭の先からつま先まですべてに闘志が表れている。プロレスは闘いなんです。この写真にそのすべてが詰まっていますよ」

 穏やかな口調の中にプロレスラーとしての誇り、そして何よりも猪木さんへの揺るぎのない敬意が詰まっていた。さらにスマホの写真を見せていただくと、そこには、猪木さんの現役時代の写真があふれるほど収納されていた。

 写真を見ながら小林さんは、こうつぶやいた。

 「僕の人生で一番の幸せは、アントニオ猪木に出会えたこと。あの方のそばにいられて、言葉をかけられ、教えられたこと。これほどの幸せはありません」

 初代タイガーマスクとの名勝負、二代目タイガーマスクとの激闘、齋藤彰俊とのケンカマッチ…小林さんの試合は、常に緊張と緊迫がリング上を覆っていた。そして、20年を超えるがんとの闘病。常に逃げずに闘い続けた。それこそが「闘魂」の教えであり、道場での練習で「強さ」を磨いた猪木さんの弟子である自負だった。

 取材を終えて別れる時にTシャツの袖をまくって力こぶを私に見せつけた。

 「見てよ、この腕。まだまだ鍛えてるんだよ。僕は練習をしているからがんを克服したんですよ。練習でがんに勝ったんです」

 2022年10月1日に猪木さんは79歳で亡くなった。それから2年。プロレスラーの誇りを表現して小林さんが逝った。(福留 崇広)

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