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「幸運な面も大きかった」西山朋佳女流三冠、持ち味発揮 棋士編入試験で女性初勝利をもたらした流れ

スポーツ報知 / 2024年9月11日 6時10分

プロ棋士編入試験五番勝負第1局で高橋佑二郎四段に勝利した西山朋佳女流三冠(カメラ・瀬戸 花音)

 将棋界史上初の「女性棋士」を目指す西山朋佳女流三冠(29)=白玲、女王、女流王将=が10日、東京・渋谷区の将棋会館でプロ棋士編入試験五番勝負第1局に臨み、高橋佑二郎四段(25)に後手の132手で勝利し、合格に向け好発進した。試験は新人棋士5人と対局し、3勝すればプロの四段となる。

 棋士への扉をこじ開けるための大きな一勝だ。終局直後の西山の顔には汗が浮かんでいた。白星発進となったことについて聞かれると「幸運な面も大きかった」と振り返り「(試験官の)5人はそれぞれ違った武器を持って四段(プロ)になった方々ですので、ここから一局一局準備して、当日全力を尽くせるように過ごすしかないのかなと思います」と抱負を述べた。

 朝、濃紺のスーツ姿で対局室に現れた西山は、いつも通り目を閉じ、落ち着いた様子で対局開始を待った。振り駒の結果、西山は後手に。戦型は三間飛車を選んだ。終盤は互いに厳しい攻め合いになり、“豪腕(ごうわん)”西山の持ち味が出る展開に。高橋の9筋の端攻めも「想像以上に苦しかった」が、西山は「負けでもおかしくない」と思いつつ強気に敵陣に角を打ち込み応戦。最後は高橋の攻めも続いたが、西山の玉が逃げ切った。

 現行制度での棋士編入試験受験者は5人目で、女性では2人目。22年に受験した福間香奈女流五冠(32)=清麗、女流王座、女流名人、女流王位、倉敷藤花=は3連敗したため、西山は女性で初めて棋士編入試験で白星を獲得したことになる。

 ハードスケジュールの中、粛々と道を踏みしめている。8月末から中1日での対局が複数回ある西山。タイトルへの挑戦者決定戦やタイトル戦番勝負が続く。「結構しんどいです」と苦笑いしつつ、「どこでも力を出し切れるような準備は必要かな」と多忙な中でも棋士編入試験への研究会を入れて準備してきた。6日には「今日切らないともうタイミングがなくて…」と局後に急いで当日の美容院を予約する姿もあった。

 20年の第66回三段リーグでは上位2人がプロ入りする制度の中、3位で次点の成績を収めたものの、あと一歩届かなかった過去を持つ。「自分らしい手をのびのびと指したい」。もう一度、棋士になるという夢をつかむため、戦いを続ける。(瀬戸 花音)

 ◆西山 朋佳(にしやま・ともか)1995年6月27日、大阪狭山市生まれ。29歳。伊藤博文七段門下。5歳で将棋を始める。2010年、関西奨励会入会。14年1月に初段、同9月に二段、15年12月に三段昇段。18年、マイナビ女子オープンで初タイトルの女王を獲得。21年4月に女流棋士に転向。指し手の力強さから「豪腕」の異名を持つ。

 ◆プロ棋士編入試験 05年に特例で実施され、アマとして活躍した瀬川晶司六段が合格した翌年、正式に制度化された。現在の試験制度は棋士番号の若い新四段5人を試験官とする五番勝負。5局中3勝で合格となり、順位戦フリークラスへの編入資格を得る。これまで、14年に今泉健司五段、20年に折田翔吾五段、23年に小山怜央四段がそれぞれ合格している。

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