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「首の具合が良くない」貴景勝が自ら申し出て休場…進退について常盤山親方「本人の気持ちを尊重」

スポーツ報知 / 2024年9月11日 5時30分

2日目の王鵬戦、寄り切りで敗れた貴景勝(カメラ・今西 淳)

◆大相撲 ▽秋場所3日目(10日、東京・両国国技館)

 関脇・貴景勝が、首の不調のため休場した。10勝以上で1場所での大関復帰を目指したが、初日から2連敗。師匠の常盤山親方(元小結・隆三杉)によると再出場せず、今場所での大関返り咲きが消滅した。師匠は弟子の現役続行への思いを推し量る一方で、最終的には本人の意思を尊重する考え。大関在位30場所を誇る貴景勝が、力士人生最大の岐路に立たされた。

 館内に貴景勝の休場を告げるアナウンスが響き、「不戦勝」の旗が土俵上で掲げられると、どよめきが起きた。師匠の常盤山親方によると、2日目の取組後に「首の具合が良くないので、休ませてください」と本人から申し出があったという。さらに「(残りは)全休。首は大切で、無理はさせられない」と途中出場しない方針を示し、今場所での大関返り咲きが消滅した。

 9度目のカド番で迎えていた先場所は5勝10敗に終わり、大関から2度目の陥落。2019年秋場所以来、5年ぶりに関脇に下がった。10勝以上なら1場所での大関復帰がかなうはずだったが、首の不調で夏巡業は全休。場所前は相撲を取る稽古ができなかった。師匠によれば、こうした事態は初めてだったという。“ぶっつけ本番”で勝負の土俵を迎えたが、初日からいいところなく2連敗。厳しい現実を突きつけられた。

 常盤山親方は進退について「28歳になったばかりで、続けたい気持ちは強いと思う」と弟子の心中を推し量った。一方で「本人の一番の気持ちを尊重してあげたい」と最終的には貴景勝自身の判断にゆだねる姿勢を示した。また、「場所中に、また話をしようと思う。とにかくいい方向にいくように。すぐにどうこうはない」とも明かした。

 八角理事長(元横綱・北勝海)は「首がよほどひどかったのだろう。治さないことにはどうしようもない」と話した。大関に史上最長65場所在位した元千代大海の九重審判部副部長は「まだできるという気持ちを持っていると信じ、復帰を願っている」と背中を押した。ただ、1場所での大関復帰はかなわないどころか、来場所は平幕下位まで転落することになる。首には慢性的な痛み。十分な稽古ができる保証もなく、力士人生最大の岐路に立たされていることは間違いない。貴景勝はどんな決断を下すのか。

 ◆貴景勝の昨年秋場所優勝以降

 ▽23年秋場所(11勝4敗) 7度目のカド番で臨み、熱海富士との優勝決定戦を制して4場所ぶり4度目の優勝。9人目となるカド番V。

 ▽同九州場所(9勝6敗) 3度目の綱取りに挑むも2ケタ白星に届かず。

 ▽24年初場所(2勝2敗11休) 連勝発進も「頸椎(けいつい)症性神経根症」で4日目から休場。

 ▽同春場所(8勝6敗1休) 13日目に勝ち越して8度目のカド番を脱出。14日目に「右大胸筋損傷、頸椎神経根症」で途中休場。

 ▽同夏場所(2敗13休) 2日目から「頸椎椎間板ヘルニア」で3場所連続13度目の休場。

 ▽同名古屋場所(5勝10敗) 9度目のカド番で負け越して大関から陥落。

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