今永昇太を救った「リトル今永」の存在「こんなことでビビってんのか」 恐怖心も大谷斬りで１３勝目

◆米大リーグ　ドジャース３―６カブス（１０日、米カリフォルニア州ロサンゼルス＝ドジャースタジアム）

　カブス・今永昇太投手（３１）が１０日（日本時間１１日）、敵地・ドジャース戦に先発し、７回７安打３失点の粘投を見せて、１３勝目（３敗）を挙げた。ドジャース・大谷翔平投手（３０）との今季２度目の対戦は遊飛、一併打、右飛に抑え、今季の対戦成績を５打数無安打とした。

　試合前の今永は万全ではなかった。前回登板では７回無安打無失点で継投によるノーヒットノーランに貢献したが、ブルペンでは変化球のストライクが入らず、直球も納得の球が行かなかった。さらに「マウンドに上がるまでちょっと恐怖心があって、足もすごくガタガタ震えていましたし、ボール持った手もすごく震えていましたし、すごく恐怖心と戦っているなという気持ちでマウンドに上がりました。自分なりのプレッシャーだったりとか、周りの期待に応えなければいけないとか自分の中でちょっと自分を追い込みすぎていた」。大谷、ベッツ、フリーマンとＭＶＰトリオが並ぶ強力ドジャース打線を前に不安が募っていた。

　それでも初回は全て直球、たった４球でＭＶＰトリオを３者凡退。今永を救ったのは「リトル今永」だった。「自分の中でもう１人、ふかんした自分を作り出して、『こんなことでビビってんのか』みたいな、『こんな楽しい舞台はないはずだぞ』と自分に言い聞かせて、ホームランを（３本）打たれながらでしたけど、これを楽しいと思わなければダメなんだとなりました。初回を全力で投げて乗り切ったことによって、メーターをいったん振り切らせてあとはこれくらいでいいやと調整できた。初回が本当にうまくいってよかった」。強力ドジャース打線に立ち向かい、失ったのはソロ３本だけだった。