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阿部監督が坂本に「どんな結果でもいいから好きに打ってこい」巨人9回9点大逆転、13日にもM12点灯

スポーツ報知 / 2024年9月12日 5時0分

9回無死満塁、門脇の右前適時打にベンチでガッツポーズする阿部監督(右は村田コーチ=カメラ・渡辺 了文)

◆JERA セ・リーグ 広島2―9巨人(11日・マツダスタジアム)

 首位・巨人が完封負け寸前の9回に9点を奪う歴史的猛攻を見せ、広島に連勝。鬼門マツダでは3年ぶりの3連戦勝ち越しを決めた。守護神・栗林から無死満塁のチャンスをつくると吉川の押し出し死球、岡本和真内野手(28)の左前適時打で同点。さらに門脇、浅野らのタイムリーなどで畳みかけ、13人6安打、9回の得点では77年以来47年ぶりの球団最多タイ記録を樹立。2位とのゲーム差を今季最大タイの3に広げ、貯金も今季最多の14。最短13日の優勝マジック「12」点灯へ向け、4年ぶりのマツダ3連戦3連勝を狙う。

 土壇場でのミラクル逆転劇に、ベンチの阿部監督は何度も手をたたいて握った拳を突き上げた。2点を追う9回、打者13人6安打で一挙9得点。「本当にね、すごい攻撃だなと思って見ていたんですけど」。お祭り騒ぎの選手たちが頼もしく映った。敵地の一角で巨人応援団が奏でるチャンステーマが鳴りやまない。天王山で連勝し、鬼門マツダで21年9月以来3年ぶりの3連戦勝ち越しも決めた。

 0―2の9回。防御率0点台の守護神・栗林に襲いかかった。先頭の代打・中山、丸が連続四球で無死一、二塁。阿部監督が攻めダルマと化した。ネクストバッターズサークルの2番・坂本の元に歩み寄って「もう何もない。どんな結果でもいいから好きに打ってこい」と声をかけ強攻策。左前安打で無死満塁となり、吉川の押し出し死球、岡本和の同点打、モンテスの勝ち越し押し出し四球につながった。その後は波状攻撃。門脇、浅野の適時打、中山の代打・長野が2点適時打、坂本の代走で出ていた増田大が2点三塁打と止まらなかった。

 監督1年目。昨秋の就任直後、一塁・岡本和、三塁・坂本、遊撃・門脇のレギュラー構想を明言した。その中で岡本和と坂本には「バントはさせないから」と直接伝えていた。信頼を示すためだった。坂本は打撃不振に苦しむ時期もあったが、ここまで信念を曲げず両選手ともに犠打ゼロ。「困った時のベテラン」と力を信じ、大一番でもバントをさせず迷わず打たせた。

 展開自体はアドゥワに6回2安打無失点に抑えられ劣勢だった。前夜の初戦は5回57球無失点の菅野に代打を送る積極采配で勝利。「勝てないマツダで初戦は絶対取りたいって動いたけど、今日は我慢、我慢と自分に言い聞かせていた」。6回の攻撃で先頭・グリフィンに代打を出さず7回は平内、8回は泉が無失点。耐えてため込んだエネルギーを最終回に爆発させた。

 8回の守備では吉川、門脇がライナーをジャンピングキャッチ。続く矢野の右中間二塁打は素早い中継プレーで三塁アウトにした。連続好守と走塁死。風向きが変わった。「吉川、門脇のファインプレー。そこで若干、流れが来たかなと思った」。9回に栗林が制球に苦しみ6失点。「いつも言ってる四球。反面教師というか。そういうこともあり得る。みんな頭のどこかに置いて野球って分からないって学んでほしい」。浮かれず教訓として刻んだ。

 残り17試合で2位・広島とは今季最大の3差。試合後のベンチ裏はナインの歓喜の大声が響いた。「ああやってベテランが打ったり若い子が打ったり。こうやって勝てばどんどん成長していく。僕らはまだまだだと。最後までもつれると思ってずっとやっている。今日はちょっとうれしいけど、またあしたになったらビシッと切り替える」。巨人の9回の9得点は球団最多タイで47年ぶり2度目。日中の最高気温35度の広島の夜、歴史的大逆転勝利で4年ぶりリーグ優勝への機運が高まってきた。(片岡 優帆)

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