宝塚歌劇月組スター・風間柚乃が芸達者ぶり存分に発揮 バウホールで「ＢＬＵＦＦ」開幕

兵庫・宝塚バウホールで初日を迎えた宝塚歌劇月組公演「BLUFF」の一場面。マフィアのボスを倒すため結束したドノヴァン（風間柚乃、左）とシャロン（花妃舞音）（カメラ・筒井政也）

　宝塚歌劇月組「ＢＬＵＦＦ（ブラフ）―復讐（ふくしゅう）のシナリオ―」（作・演出、正塚晴彦）の兵庫・宝塚バウホール公演が１４日、開幕した。

　２０１４年入団で第１００期生のスター・風間柚乃（かざま・ゆの）が、８月３０日～９月８日に東京劇場プレイハウスで上演した外部劇場初主演作。関西では本拠地小劇場・バウでの興行となった。

　同作は１９９０年に、同じ月組の大先輩で、後にトップスターとなる久世星佳（くぜ・せいか）が入団８年目でバウ初主演を務めた演目で、３４年ぶりの再演。

　恩人を失ったスラム街出身の主人公ドノヴァン（風間）が仲間と手を組み、怨敵のマフィアに復しゅうするコンゲーム（信用詐欺）の物語。若手時代から老け役も巧みにこなした芸達者の風間が、時に姿を変え、綿密なリベンジを遂行。１１年目の確かな力量を存分に発揮した。

　復しゅう劇のキーパーソンに任命された女性・シャロン役は５年目の注目株・花妃舞音（はなひめ・まのん）。２度の新人公演の相手役を経験して、こちらも外部劇場初ヒロインとなった。９０年版では、翌年に月組トップ娘役になる麻乃佳世（あさの・かよ）が担当した役で、ぱっとしない貧乏娘がマフィアを鮮やかに手玉に取るほどの“魅惑の変身”を遂げ、ステージを華やかにした。

　同劇場で１９日まで。前日の通し稽古終了後のあいさつで風間は「千秋楽まで精いっぱい頑張りたい」と本拠地での公演完走に向けて意気込んだ。