【追悼コラム】砂の一時代を築いたヴァーミリアンに感謝 わずか3か月前に元気な姿を函館競馬場で見たばかり
スポーツ報知 / 2024年9月14日 19時6分
突然の訃報に声が出た。9月12日に疝痛のため、22歳で旅立ったヴァーミリアンのことだ。今年の6月9日に、けい養されていたノーザンホースパークのイベントで函館競馬場に来ていた時に、私はJRAとノーザンホースパークの許可をいただき、ヴァーミリアンの動画撮影と取材をさせてもらった(よろしければ馬トクYouTubeをご覧ください)。ほんの3か月前。すごく元気に動き回っている姿を覚えているだけに、ただただ驚いた。現役時を知らない若いファンも、知っているオールドファンも、写真撮影では皆が笑顔。本当に愛されている様子が伝わっていた。
1999年の凱旋門賞で惜しくも2着に敗れたエルコンドルパサーの代表産駒で、04年のラジオたんぱ杯2歳S(当時の表記)で初重賞制覇。芝のクラシック路線を期待されたが、05年の皐月賞では12着と大敗してしまった。
不振が続き、初のダート戦となった同年10月のエニフSの出走時、当時競馬ファンだった記者は「ダートに替わったからと言って走るかな?」と思っていた。3番人気だったのも、多くのファンがやや半信半疑だったこともあったと思う。結果は鼻差での勝利だったのだが、これをきっかけにダートで3戦3勝の父の血が開花。その後の快進撃は皆さんが知っている通り。07年のジャパンCダート、07~09年のJBCクラシック3連覇など、ダート界で輝きを放った。8歳で最後の勝利となった10年の川崎記念では、逃げたフリオーソとの激しい一騎打ちだったことを覚えている。
実際にヴァーミリアンを近くで見ると、黒光りしてまだまだ若さを感じる馬体を保っている一方で、優しいまなざしで空をのんびりと見つめる姿に、幸せな余生を送っていることがすぐに分かった。撮影中も、現役時代の勝負強い走りが自然と脳裏に思い出された。
馬の疝痛は本当に怖い。腸が長いため、位置が変わりやすいことや、内容物がたまりやすいことから疝痛を起こしやすい。実際に、ヴァーミリアンも前日は元気だったそうだ。
もっと長く生きて欲しかったし、今度はノーザンホースパークに会いに行こうと思っていたから実に悲しい。これまで本当におつかれさまでした。あなたが積み重ねたG1級レース9勝の功績は、私や多くの競馬ファンの胸に残り続けます。(中央競馬担当・山下 優)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ダートG1・9勝の名馬ヴァーミリアンが疝痛で死ぬ ディープインパクトの同期の22歳
スポーツ報知 / 2024年9月14日 18時22分
-
【愛チャンピオンS】シンエンペラー、凱旋門賞へ欧州最強軍団との一戦が試金石に 矢作芳人調教師「強い相手と戦うことで成長させたい」
スポーツ報知 / 2024年9月10日 6時5分
-
【紫苑S】秋華賞でも目が離せない!?距離克服の3着馬に「本番で面白い存在」と安藤勝己氏が指摘
スポーツ報知 / 2024年9月8日 8時38分
-
アドマイヤマーズが大活躍の理由は? 注目の「新種牡馬産駒の特徴」を解説
日刊SPA! / 2024年8月30日 15時30分
-
<札幌記念2024>夏の大一番!今年の注目ポイントと“過去の名勝負3選”を競馬の達人が解説
日刊SPA! / 2024年8月17日 8時25分
ランキング
-
1馬瓜エブリン「静観しようかと思ってたんだけど…」日本バスケ協会技術委員長のパリ五輪総括を受け私見
スポニチアネックス / 2024年9月14日 15時47分
-
2“大谷ライバル”リンドーアが腰痛で負傷交代 走塁中に痛めたか…MVP争いに影響も
Full-Count / 2024年9月14日 10時1分
-
3広島がサヨナラ負けで今季ワースト6連敗 救援陣崩れ、ピンチで失策…9月は2勝10敗
スポニチアネックス / 2024年9月14日 17時29分
-
4【日本ハム】新庄監督「ファームの時の腕の振りと全く違う。信用なくなる」痛恨3ラン被弾の左腕に言及
スポーツ報知 / 2024年9月14日 17時20分
-
5大谷翔平、47号で歴史的快挙が目前に。“過去34年でわずか1例”の「レアな記録」の可能性も
日刊SPA! / 2024年9月13日 15時47分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください