奇跡の新入幕優勝から３場所 けがから回復した尊富士はまるで鎧をまとったロボコップ…元大関・琴風の目

笑顔で取材に応じる尊富士

◆大相撲　▽秋場所８日目（１５日、東京・両国国技館）　

　“尊富士の１％”と呼ばれた奇跡の新入幕優勝から３場所目。けがもよくなったのだろう。十両という舞台では実力が抜けている。同じ地位の力士とは思えない強さでもある。粘り強さには定評のある朝紅龍を問題にしなかった。低く当たって下から根こそぎ持っていった。特に左からのおっつけが強烈。朝紅龍の体が浮いてしまった。

　上半身は筋肉の鎧（よろい）をまとったロボコップのようだ。映画で見るロボコップはゴツゴツしているイメージだが、下半身が安定しているから直線の相撲でも動きは柔らかい。尊富士の相撲を見ているとおっつけが得意の玉ノ井親方（元大関・栃東）を思い出す。

　今場所は恐らく１４番ぐらいは勝つと思う。そして、１１月の九州場所を経て、来年の初場所には大の里や平戸海らとともに上位をにぎわす存在になっているだろう。（元大関・琴風、スポーツ報知評論家）