慶大を2世トリオがけん引 清原正吾が父の前で先制口火打 元広島左腕&天才打者ジュニアは1失点リレー
スポーツ報知 / 2024年9月16日 6時35分
◆東京六大学秋季リーグ戦第1週第2日▽立大1―5慶大(15日・神宮)
慶大が立大に雪辱し、1勝1敗のタイに持ち込んだ。4回先頭、4番・清原正吾一塁手(4年)が今秋初安打で出塁から、先制のホームを踏んで流れを呼び込むと、リーグ戦初先発の最速151キロ右腕・広池浩成(2年)から前田晃宏(3年)が1失点リレー。元プロ野球選手の父を持つ3人が躍動した。
清原の一打が慶大打線に火をつけた。0―0の4回無死。立大の先発、3年生右腕・大越怜との勝負。1ボールからの2球目、136キロをはじき返した。打球は二遊間を抜けた。プロ志望届を提出して迎えた今秋リーグ戦7打席目で、初めて「H」ランプを点灯させた。
「完璧なセンター前でした」。元ダイエー外野手の父・基さんを持つ大越との“2世対決”で快打。続く渡辺憩の中前安打で三塁に進み、1死二、三塁から真田壮之の右前安打で先制のホームを踏んだ。両手を握り、雄たけびを上げた。「うれしくて、ほえてしまいました」と笑った。勢いづいた打線は5回、一挙4点で優位に立った。
前日の今季初戦は5打数無安打。合宿所に戻ると「マインドセットして、素振りをしました」。過去は変えられないが、未来は変えられる。気持ちを切り替え、前向きに。初戦に続きネット裏で見守った父・和博さん(57)に、笑顔をもたらす一打だった。
投手陣も2世リレーだ。リーグ初先発の広池が7回3安打1失点。21アウトのうち、12を飛球で奪った。「自分はフライボールピッチャー」。父は立大外野手から全日空での一般就職を経て広島入りし、左腕として248試合に登板した浩司さん(51=現西武副本部長兼編成統括)。春から9キロ増量した強い肉体を駆使し、父の母校を抑え込んだ。
8回からは前田が2回を完全投球。1年秋以来のリーグ戦登板で輝いた。昨夏に右肘を手術。春先には120キロしか出ず「潮時か…」「自分は何をしているんだろう」と落ち込む時もあった。それでもアキレス腱(けん)断裂の大けがを乗り越え、広島で通算2119安打を放った“孤高の天才”こと父・智徳さん(53)ばりの不屈の精神で復活した。
3人とも慶応高出身。勝負の世界で生きる父の背中を見て育った。「勝つことに貪欲にやっていく。明日は僕が打って、チームの勝ちにつなげられたら」と清原。若き血をたぎらせ、勝ち点を奪う。(加藤 弘士)
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