江村美咲 パリ五輪直後の全日本を制して涙「次のロス五輪は一緒に」決勝で小林かなえを退け、４度目日本一

２年ぶり４度目の日本一に立った後のインタビューで涙を流した江村美咲

◆フェンシング　全日本選手権個人戦　最終日（１６日、静岡・沼津市総合体育館）

　男女２種目で決勝までが行われ、女子サーブルでパリ五輪団体銅メダルの江村美咲（立飛ホールディングス）が２年ぶり４度目の日本一に立った。日本選手団の旗手を務めたパリ五輪女子団体で銅メダルを獲得。五輪後初戦の今大会では、準々決勝で高嶋理紗（オリエンタル酵母工業）、尾﨑世梨（法大）の銅メダリスト同士の対決を制し、決勝では小林かなえ（河合電器製作所）を１５―８で退け、１８年、１９年、２２年大会に続く優勝を飾った。

　優勝後のインタビューでは涙を流す一幕があった。「小林選手は一緒にパリに行ってサポートしてくれた選手。今回は団体戦で一緒に戦えなくて、すごく悔しかったと思うけど、自分たちも大変な中で初めてファイナルピストで一緒に戦うことができて。次の（２８年）ロス（五輪）では一緒に戦いたいと思っていたので、一緒に戦えて良かったなと思います」と仲間を思い、涙が頬をつたった。江村自身も五輪後、再出発を切り「パリ五輪はつらすぎたので、この大会はワクワクしながら、楽しんでできました」と応援に感謝した。

　パリ五輪では個人で３回戦、高嶋理紗、福島史帆実、尾崎世梨と臨んだ団体では、３位決定戦で、開催国のフランスを４５―４０で破り、同種目で初の表彰台となる銅メダルをつかんだ。４年後のロサンゼルス五輪へ、エースはたくさんの人の思いを胸に、再出発を切った。