首痛癒えて戻った「大関の時の力」 霧島が大関昇進狙うホープを1差追走…10日目に直接対決「自分の相撲取る」
スポーツ報知 / 2024年9月17日 6時30分
◆大相撲 ▽秋場所9日目(16日、東京・両国国技館)
関脇・霧島が自己最速での勝ち越しを決めた。西前頭5枚目・湘南乃海に寄り切りで完勝し、唯一の1敗を死守。10日目は全勝で単独トップをひた走る関脇・大の里との直接対決が組まれた。元大関の意地にかけ、大関昇進を狙うホープに待ったをかける。2敗は平幕の若隆景、遠藤、錦木、高安の4人。大関・琴桜は東前頭5枚目・宇良に不覚を取り、初優勝が遠のく3敗目を喫した。大関・豊昇龍は5勝目を挙げた。
危なげない相撲で1敗を守った。霧島は立ち合いで湘南乃海の左をのぞかせて右前まわしをつかむと、相手の胸元に頭を密着させる得意の取り口で一気に寄り切り。194センチ、192キロの相手にも「(体重が)重いし、あまり取組時間が長くならないように」とイメージ通りの完璧な内容で完勝した。これで自己最速となる9日目での勝ち越し。「いいと思います。初めてですよね?」と報道陣に問いかけ直す余裕も見せた。
昨年の九州場所で2度目の優勝を果たし、今年の初場所では綱取りにも挑戦した。しかし、春場所前から慢性的な首痛に悩まされ、稽古不足で春場所は5勝10敗。カド番だった夏場所は7日目から休場し、大関の座から陥落した。10勝を挙げて特例での大関復帰を目指した名古屋場所も、本調子とはいかず8勝7敗で返り咲きはかなわなかった。
それでも、今場所前は精力的に出稽古へ出向き番数を重ねた。幕内屈指の稽古量で調子を上げる力士だが「ガンガン当たれたので、久しぶりに首はいい状態」と復活への手応えを口にする。八角理事長(元横綱・北勝海)も「頭を付けると相手は何もできない。ようやく大関の時の力が出るようになった」と元大関の復活に太鼓判を押した。
24歳の怪物に待ったをかける。10日目は全勝でトップを走る大の里との一番が組まれた。この日も土俵下で取組を見届けたが「そんなことは考えていない。しっかり自分の相撲を取れるように準備する」と不動心を貫く。過去の対戦成績は2戦2敗。それでも夏場所、名古屋場所は万全の状態とはいえず、今回が完調では初めての対戦といえる。取材の最後には自ら切り出し「まだ早い。一番一番しっかり。それしかない」と自分の心にとどめるように語った。
(大西 健太)
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