【大学野球】データ班が考案“清原シフト”奏功 立大が慶大から令和初の勝ち点 2016年春以来17季ぶり
スポーツ報知 / 2024年9月16日 21時8分
◆東京六大学秋季リーグ戦第1週第3日▽立大1―0慶大(16日・神宮)
1勝1敗のタイで迎えた第3ラウンドは、立大が1-0で勝利し、慶大相手に2016年春以来17季ぶりとなる勝ち点を挙げた。第1戦から中1日で先発した3年生エース右腕・小畠一心(智弁学園)が8回4安打無失点と快投。9回は吉野蓮(3年=仙台育英)が3者連続三振で締めた。途中出場した北田峻都(3年=報徳学園)が6回、タイムリーで奪った1点を守り抜いた。
勝利の瞬間、立大ナインは優勝したかのようにベンチから飛び出し、歓喜に沸いた。無理もない。慶大からの勝ち点は令和初。実に17季ぶりだったからだ。木村泰雄監督(63)と慶大の堀井哲也監督(62)は静岡の県立進学校・韮山のクラスメートだった間柄。木村監督は感無量の表情で言った。
「慶応さんから勝ち点を取れて、言葉もありません。堀井監督は同級生ですが、尊敬する大監督。春も慶応さんと戦って、ことごとく終盤で逆転され、最後の試合も勝ち点を落とした。後半詰め寄ってくるか、ビクビクしてました。本当に選手はすごい。選手たちがよくやってくれました」
“清原シフト”が奏功した。慶大の4番・清原正吾(4年=慶応)を封じるため、二塁手が二塁ベース付近に就く大胆な守備位置で臨んだ。すると初回2死三塁のピンチ。本来なら二遊間を破ったであろうヒット性の当たりを二ゴロに仕留め、波に乗った。
「ウチのアナライザーたちがいろいろデータを出してくれたのを、内野と話し合って決めたんです」と正捕手の戸丸秦吾(4年=健大高崎)。元楽天投手で今秋からベンチ入りする戸村健次コーチ(36)の助言を受け、バッテリーは清原に内角攻めを徹底した。戸丸は「ウチはみんな力があるいいピッチャー。そこは信じてやるだけでした」と遂行した投手陣をたたえた。
ベンチのムードも最高潮だ。「1番・右翼」でスタメン出場も2打数2三振で、北田峻に代わりベンチに退いた菅谷真之介外野手(4年=市船橋)は気落ちすることなく、最前線で声を張り上げナインを鼓舞した。ベンチには戸村コーチの発案で、コンディション不良で登録を外れた4年生投手の人気者・沖政宗(磐城)のユニホームを掲げ、ともに戦った。いい雰囲気のまま、宿敵から勝ち点をもぎ取った。
次週は強敵の法大とぶつかる。指揮官は「法政さんにはいい投手がいる。1つずつ勝ちを重ねていければ。波に乗っていきたい」と闘志をにじませた。この秋のセントポールは、ひと味もふた味も違う。(加藤 弘士)
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