1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. 格闘技

小林邦昭さんが待ち受け画面にしていたアントニオ猪木さんの卍固め写真…担当記者が悼む

スポーツ報知 / 2024年9月21日 8時5分

アントニオ猪木さん(右)と食事する小林邦昭さん(生前の小林さん提供)

 9日に亡くなった“虎ハンター”こと元プロレスラーの小林邦昭さん(享年68)の葬儀・告別式が19日に東京都内の斎場で営まれた。4年前に連載取材で小林さんをロングインタビューした福留崇広記者が追悼のコラムをしたためた。

 * * * *

 小林さんを取材したのは2020年夏だった。プロレス人生を振り返る「ヒストリー」の連載で東急大井町線等々力駅前の喫茶店でお会いした。

 2時間を超えるインタビューの最後、小林さんは自身のスマートフォンを取り出した。そして「これ見てよ」と待ち受け画面を私の目の前につきだした。

 そこにあった写真は、アントニオ猪木さんがタイガー・ジェット・シンに卍固めをきめた一枚だった。

 「これがプロレスラーなんです。頭の先からつま先まですべてに闘志が表れている。プロレスは闘いなんです。この写真にそのすべてが詰まっていますよ」

 穏やかな口調の中にプロレスラーとしての誇り、そして何よりも猪木さんへの揺るぎのない敬意が詰まっていた。さらにスマホの写真を見せていただくと、そこには猪木さんの現役時代の写真があふれるほど収納されていた。

 写真を見ながら小林さんは、こうつぶやいた。

 「僕の人生で一番の幸せは、アントニオ猪木に出会えたこと。あの方のそばにいられて、言葉をかけられ、教えられたこと。これほどの幸せはありません」

 初代タイガーマスクとの名勝負、2代目タイガーマスクとの激闘、齋藤彰俊とのケンカマッチ…小林さんの試合は、常に緊張と緊迫がリング上を覆っていた。そして、20年を超えるがんとの闘病。常に逃げずに闘い続けた。それこそが「闘魂」の教えであり、道場での練習で「強さ」を磨いた猪木さんの弟子である自負だった。

 取材を終えて別れる時にTシャツの袖をまくって力こぶを私に見せつけた。

 「見てよ、この腕。まだまだ鍛えてるんだよ。僕は練習をしているから、がんを克服したんですよ。練習でがんに勝ったんです」

 22年10月1日に猪木さんは79歳で亡くなった。それから2年。プロレスラーの誇りを表現して小林さんが逝った。(福留 崇広)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください