「50―50」達成の大谷翔平に「あなた、もっと凄いでしょ」栗山英樹氏、愛のエール「何か安心してほしくない」
スポーツ報知 / 2024年9月21日 6時0分
ドジャース・大谷翔平投手(30)の日本ハム時代の指揮官で、入団から5年間、二刀流として育て上げた侍ジャパン前監督・栗山英樹氏(63)=日本ハム・チーフ・ベースボール・オフィサー=が取材に応じ、まな弟子の「50―50」の偉業を祝福し、エールを送った。
「60―60」狙えた 大谷のことを知り尽くした栗山氏でも「50―50」は想定外だった。
「ちょっと想像はしてなかった。盗塁にあれだけ興味を持って進むというのは良かったな、凄(すご)いなと。うれしいけど『でも翔平、それで良かったと思わないでよ。あなた、もっと凄いでしょ』って。僕が見ている天井はもっと高いので」
快挙達成は昨年WBCで、胴上げ投手として世界一に輝いたマイアミの地だった。
「神様に引きずられているね。そういうものを背負ってる選手なんだと。物語はすごく重要なんで」
前人未到の快挙を喜びながらも、更なる成長への“親心”をのぞかせる。
「凄いんだけど、何か安心してほしくない(笑い)。お前、80本ぐらい打つだろって。随分ミスショットあったよね? 誰も『60―60』って言わない。最初からそう思っていたら、できそうじゃない? 3冠王(への数字)は落ちている。何か皆(報道が)『50―50』ばっかりいくから(笑い)」
打者専念の今季。盗塁数を飛躍的に伸ばしたまな弟子の思いを代弁した。
「やっぱり翔平らしいなと。何かドキドキするじゃん、盗塁って。体を前に進めるための一つの方法にもなっている。あそこでダッシュしておけば練習でする必要がない。発想が人と全然違っている」
日本ハム5年間では通算13盗塁。当時とは体が違う。
「状況判断が抜群の選手。盗塁できるスピードはあるけど、けがさせないのが一番。(当時は)リスクばっかりを考えていた。今年は走りながら1年間けがをしないでプレーを続けられている。それが凄さ。一番突出しているところ」
高い盗塁成功率(92・7%)は今後の二刀流にプラスに働く。
「投手を研究するのは野球のまず第一。そこを徹底的にするのは盗塁。野球論をさらに広げ、全てに生きる。来年以降凄く楽しみ。サイ・ヤング賞とか皆さん言われるけど、全然違うものを残さないかなって。昨日、おととい抑えをしたのに、明日、先発みたいな。無茶なんだけど(笑い)」
◆栗山 英樹(くりやま・ひでき)1961年4月26日、東京・小平市生まれ。63歳。創価高から東京学芸大を経て、83年ドラフト外でヤクルト入団。右投両打の外野手として89年にゴールデン・グラブ賞。通算494試合で打率2割7分9厘、7本塁打、67打点。2012年から日本ハム監督。16年に正力松太郎賞を受賞。21年12月に侍ジャパンの監督に就任し、23年3月のWBCで3大会ぶり3度目の世界一に導いた。
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