「絶対に打ってやろうと思っていた」巨人・岡本ガッツポーズ 通算1000安打がM1導く先制打
スポーツ報知 / 2024年9月28日 5時20分
◆JERA セ・リーグ 巨人3―1中日(27日・東京ドーム)
メモリアルな一打で岡本和が均衡を破った。両チーム無得点の6回無死一、三塁。1ストライクから梅津の外角高め151キロ直球を捉えた。痛烈な打球が中前へ抜けていく。先制の適時打は通算1000安打目。しかも、この一打が決勝点だ。「絶対に打ってやろうと思っていたので、打てて良かったです」。一塁ベース上、主砲は声を上げながら右腕を力強く振り下ろした。
物語が始まったのは、ルーキーイヤーだった15年9月5日のDeNA戦(横浜)。初安打は左翼席への本塁打だった。そこから月日は流れ、プロ10年目、出場1002試合目で節目の1000安打に到達。スタンド全体から湧き起こった拍手に応えるように、記念ボードを掲げ、「1000試合もそうですし、いろんな方のサポートのお陰で野球ができているので、感謝しながら、これからも頑張りたい」と思いを口にした。阿部監督は「たぶんそこ(1000安打)を目指してやってるわけじゃないのでね。もっと貴重な一本を重ねていってほしい」と、さらなる活躍を願った。
一流への道を突き進めたのは変化を受け入れる心があったから。「いろんな人の話を聞くのが好きなんですよね。みんな違うところもあって面白い」。不動の4番になって以降も長野、坂本、丸ら同僚、さらには西武・中村、年下のDeNA・牧ら他球団の選手にも歩み寄って意見を求める。自らの考えだけに固執しすぎないことで、年々、新たな“引き出し”は増えている。
柔軟な心の一方で、ブレないものもある。今も大切にしている練習の一つが「素振り」だ。野球を始めた時から最も行ってきた練習が素振りだった。「自分のイメージしているポイントに対してスパッと、バットが出る時がいい感覚ですね」。現在も日々のルーチンとして欠かすことはない。原点の練習で体と心を整えて勝負の場に備える。
試合前には海の向こうで昨年のWBCで共闘したドジャース・大谷が決勝打を放ち地区優勝。岡本和は「起きるのギリギリで、テレビとかつけないので。そのまま起きて、自分の支度して球場に来るので。ちょっと知らなかったです。すみません」と頭をかいた。もう、巨人を優勝に導くことしか考えていない。「一試合一試合、気を引き締めて、勝てるように頑張ります」。主将が目指し続けてきた歓喜の瞬間は、もう目の前に来ている。(宮内 孝太)
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