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夢をプロ野球選手から走り幅跳びのトップ選手へ…聖和学園・土屋拓人が世界へ跳ぶ

スポーツ報知 / 2024年9月28日 7時53分

空中で歩くような跳躍を見せる聖和学園の土屋(カメラ・山崎 賢人)

 聖和学園(宮城)には走り幅跳びで圧倒的な跳躍を見せ、世界の舞台で活躍する土屋拓人(3年)がいる。小~中学校ではプロ野球選手を目指していたが、高校から陸上に転向。自己ベストは7メートル73で高校生年代で最高の記録を持ち、8月に行われたU20世界選手権(ペルー・リマ)で8位入賞を成し遂げた若武者に、陸上に転身した経緯や今後への思いなどを聞いた。

(取材・構成=山崎 賢人)

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  6つ上の兄の影響もあって、小学校3年生の10月から野球を始めた土屋。父も野球を経験し、母もソフトボールをプレーするなど“野球一家”で育ち、プロ野球選手を目指していた。中学時代のクラブチームでは1年時から遊撃手でレギュラー。ただ「プロを目指す上で自分の力が足りていない。上には上がいると感じていた」。

 元々運動神経には自信があり、特に跳躍は群を抜いていた。小学校の体育授業での走り幅跳びでは、同級生より遠くへ跳んでいた。中学では陸上部がなかったものの、全国中学校体育大会の時だけ即席で部活動が行われ、先生に「大会に出てみないか?」と言われ出場。基礎も知らない状態で県大会3位に輝いた。クラブチームの監督には「東北大会を優勝したら陸上をやる」と大口をたたき、東北大会に出場する選手たちの強化練習で基礎を学ぶと見事に優勝。転身を決意した。

 本格的に陸上を始めた高校では「走る動作一つ一つでも奥深い知識があった」と学ぶ日々。1年時から同学年では全国トップの記録を出し、2年時後半からは安定した戦績を残し始めた。23年の全国高校総体では8位入賞も、予選は1位通過。その記録が優勝した選手と同じだったことや、かごしま国体で3位など全国の舞台で何度も上位に名を連ねた。3年生の今年6月には東北大会で9年ぶりに大会記録を23センチ更新し、自己ベストとなる7メートル73をマークした。

 7月末に福岡で開催した全国高校総体では優勝候補として臨んだが試合前日に腰を痛め、まさかの欠場。だが、落ち込んではいられなかった。1か月後の8月27日には自身初となる国際大会・U20世界選手権の出場が決まっていた。現地に入るまではまともな練習をせずに本番を迎えたが、8位入賞。現地での生活、言語など全てで苦労したが「爪痕を残せるよう頑張りたいと思っていたので、入賞できて一安心でした」。

 今後の目標は、まずは10月5日から佐賀で開幕する国民スポーツ大会で全国初優勝。さらに大学へ進学し、パリ五輪男子200メートルに出場した憧れの鵜沢飛羽と4年後のロサンゼルス五輪に出場し、メダル獲得を目指す。「1年生の国体強化練習で話す機会があって、目標としてきた。鵜沢選手も中学まで野球をやっていて境遇が似ている。宮城の陸上界で希望となる選手で、そういう選手になりたい」。熱い思いを胸にまずは高校日本一を取り、世界の舞台で大跳躍を目指す。

 ◆土屋 拓人(つちや・たくと)2006年7月22日、宮城県多賀城市生まれ。18歳。多賀城市立城南小に通い、城南ベアーズで野球を始める。多賀城市立高崎中では仙台泉ボーイズに所属し、今夏の甲子園に出場した同校の千葉桜太投手などとプレー。体を動かすのが趣味で、中学の同級生で仙台育英高の山口廉王投手とは現在でもキャッチボールなどをしてリフレッシュ。168センチ、61キロ。

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