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巨人・岡本和真、主将2年目V最高のうれし涙 4番として、リーダーとして、胸の内に秘めてきた思い【手記】

スポーツ報知 / 2024年9月29日 5時0分

優勝を決め、坂本勇人(6)と抱き合う岡本和真 (カメラ・馬場 秀則)

◆JERA セ・リーグ 広島1―8巨人(28日・マツダスタジアム)

 全試合4番で出場してリーグ制覇に導いた巨人・岡本和真内野手(28)が、スポーツ報知に歓喜の手記を寄せた。28日の広島戦では「優勝打」となる6回の決勝二塁打など、4安打3打点と爆発。優勝の瞬間、涙をこらえられなかった主将が、4番として、リーダーとして、胸の内に秘めてきた思いを告白。今季の苦悩や復調のきっかけ、チームの成長などを語り尽くした。

 最後までしびれた。キャプテンになってから初めての優勝。やっぱり今まで以上にホッとした気持ちと充実感がある。19、20年の優勝は20代前半で、先輩についていくだけで必死だった。今はもう逆やから。僕が引っ張る立場、僕がやらないといけない状況で、成し遂げられたので違う感情がある。重圧や責任感は、以前とは明らかに違っていたからこそうれしい。

 忘れもしない。1月1日。携帯の着信が鳴った。監督からだった。「一緒に優勝しよう」。何とか勝たせたい。1年目から胴上げしたい。そこを目指して頑張ろうって思った。実は去年の秋に就任した時に監督、菅野さん、坂本さん、長野さんと、ご飯に行っていて。その席でも「俺も変わるから。チームのことを常に考えてやっていこう」と言ってもらってた。元日に改めて「何とかしたい」と思ってオフを過ごした。

 だけど、シーズンに入ったらなかなか打てなかった。ホームランが全然出ない。今までは感覚が悪い時でもホームランとか打ててたから、悩んだことがなかった。いつもきっかけになる打席があるんやけど、全然なくて…。気持ち的にもきつかった。

 得点圏でもあんまり打てなくて。6月29日の試合後だったかな。監督がメディアに「4番外すかも」(※)って。直接言われたわけじゃないし、「別に何も思わなかった」と(報道陣に)答えたけど、悔しさはあった。結果が出てないからそういう考えが出てくるわけやから。何とか優勝を争う時までに状態を上げなきゃって思ってた。

 分岐点は8月9日のバンテリンドーム。構えで「これをやってみよう」と思って試したタイミングでヒットが2本出た。やっと、きっかけがつかめた。バッティングは一個ハマると全部良くなっていく。そこからは「何とか巻き返せるんじゃないか」と思えた。ホンマに長かった。もっと早ければ良かったんですけどね。

 「普通っす」とか「いつも通りにやるだけです」と言ってたけど、実は普通じゃなかったかもしれない。9月になってから、あんまり寝付けんかった。珍しいよ。眠気は来るけど「いざ寝よう」と思って、ベッドに入っても寝られない時が多くなった。自分のこともだけど、明日どうやったらチームが勝てるんやろうとか、頭の中は野球のことばっか。考えたら寝れなくなった。プレッシャーとか知らずのうちにあったのかな。

 主将2年目。今も向いてはいないと感じる。人前で話すの苦手やし。理想のリーダー像も見えてこない。でも、気がついたら寄り添ったり、声をかけたりできればという気持ちで毎日やってきた。みんなでカバーできたから、僕主導のミーティングとかはやってない。暗い雰囲気や悪い流れをあんまり感じることがなかったんで。プレーでも、誰かが打てない時に誰かが打ってヒーローになることが多かった。だからかな、不思議と「優勝無理かも」と考えることもなかった。「今年はいける」と、ずっと思ってた。一人一人の意識が一つの方向を向いていたからこその結果だったと思う。

 今年10年目。もう28歳。出始めた頃は坂本さんとかを見て、レギュラー10年はすごいなって思っとったけど、今その立場になったらあっという間。いつまで第一線でやれるか分からないから、後悔のないようにやりたい。ホンマに時間はない。でも、まだまだ上にいけるイメージはある。気持ちのムラは大きいし、技術もフィジカルも足りない。世間的に下降線になる年齢あたりから、ガーッと上がっていきたいね。

 優勝はできたけど、日本一は経験がない。長野さんとか、銀座パレードを経験した人たちは、みんなすごいと言うので見てみたい。想像もできない景色なんだろうな。自分がキャプテンの時に日本一になれたら最高だと思うので、まだまだ頑張ります。(巨人内野手)

◆4安打3打点「打ててよかったです」

 決めたのは4番だった。岡本和の勝負強さがV決定試合でも際立った。同点の6回無死一塁、森下の外角低めカットボールを捉え、左中間へ勝ち越し適時二塁打。二塁ベース上で感情を爆発させた。「いい形で後ろにつなぐ気持ちでした。打ててよかったです」。今季21度目の勝利打点は記憶に残る「優勝打」。リーグVを鮮やかに彩った。

 浮き沈みのある1年を過ごしたが、歓喜の瞬間まで全試合で先発4番を務めた。「5、6月は答えも結果もなかなか出なくて、気持ちにも影響した」と振り返るが、逃げなかった。チームを勝たせることが主将の仕事。「突き詰めて、突き詰めてやってきた」。夏場以降復調し、力強くけん引した。4安打3打点。歓喜の輪の中心で、最高のうれし涙が流れた。(宮内 孝太)

 ※1―2で惜敗した6月29日の広島戦(東京D)の試合後、阿部監督は得点圏で2度凡退した岡本和について「あそこ(4番)で切れてしまうことが多々あるので」と、4番変更の可能性を示唆。しかし翌30日の同戦も「やっぱり4番だなと思って」と打順はそのまま。岡本和も初回に決勝打となる先制打を放ち、期待に応えた。

 ◆岡本 和真(おかもと・かずま)1996年6月30日、奈良県生まれ。28歳。智弁学園で3年の春夏に甲子園出場。高校通算73本塁打。2014年ドラフト1位で巨人入団。18年にプロ野球最年少22歳で打率3割、30本塁打、100打点。20、21年は2年連続で本塁打、打点の2冠。23年WBC日本代表。同年41本塁打で3度目の本塁打王。186センチ、100キロ。右投右打。

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