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「職業病みたいな感じ」ヤクルト・青木宣親が最後までこだわる試合前の打撃練習で行う2種類のスイング

スポーツ報知 / 2024年10月3日 5時30分

試合後、ヤクルトナインの手で胴上げされる青木(カメラ・佐々木 清勝)

◆JERA セ・リーグ ヤクルト5―3広島(2日・神宮)

 涙あり、笑顔ありの青木劇場だった。思い出の詰まった神宮でのラストゲーム。ヤクルト・青木宣親外野手(42)は自らのバットで花を添えた。満員御礼となったスタンドのボルテージが一気に上がった。1―0の2回2死一塁。床田の直球を左翼線へ華麗に流し打ち、日米通算2729安打目をマーク。「最後の試合で1本ヒットが出てホッとしています」と喜んだ。続く長岡が右翼線二塁打でつなぐと、サンタナの右越え3ランで生還。ベンチの誰もが笑顔で出迎えた。

 粋な演出で最高の舞台を彩った。選手、首脳陣、スタッフら全員が、ベンチ横に座るボールボーイまでもが敬意を込めて23番のユニホームを着用。始球式では青木が捕手役を務め、愛息の投げたノーバウンドの1球を受け止めた後に熱い抱擁を交わすと、涙が頬をつたった。

 試合前の打撃練習では生粋の職人らしさが垣間見えた。「職業病みたいな感じ」と表現したように、「ヒット用とホームラン用」のスイングを分けて微調整を加えながら快音を響かせた。細部へのこだわりは一打に懸ける情熱の表れだった。6回2死でも右翼線二塁打を放ち、日米で積み上げた2730安打は、NPBのみで重ねた選手も含めると歴代5位に入る。

 試合後は仲間に胴上げされ、背番号を足した5度宙を舞った。セレモニーではイチロー氏からのビデオメッセージも届き、人目をはばからずに男泣きした。7球団を渡り歩いたメジャー時代を含め「夢中で突っ走ってきた」2483試合で、NPB史上唯一の2度の200安打(05、10年)を達成するなど数々の金字塔を築いた。記録にも記憶にも残ったミスター・スワローズが、惜しまれつつ21年のキャリアの幕を閉じた。(長井 毅)

 ◆青木に聞く

 ―チームメートと練習するのは最後だった。

 「みんなの顔を見るとちょっときついね。やっぱりグッとくるものがあるし。チームメートが一番あるかもしれない。もちろん家族はね、唯一無二だから、それはもちろんなんだけど。やっぱりグラウンドで、こうしてこのメンバーで野球できないんだなと思うと、やっぱりグッとくるようなものがありましたね」

 ―石川とはクラブハウスなどで会話は。

 「ほぼほぼロッカー整理は終わったんだけど、石川さんもロッカー整理していたから、一緒に辞めんの?って。話はしました(笑い)」

 ―最後まで貫きたい「青木らしさ」とは。

 「幸せになることですかね。それだけですね。幸せになりたいから。ヒット打つことが幸せになるし、多分野球で勝ってみんなで喜ぶとうれしいから幸せになるし、それが一番だと思います。何やっていても、自分が、ああ、これやってよかったなとか、幸せだな、と思う瞬間が多ければ多いほどいいから、やっぱりそういう気持ちが根底にはあります」

 ◆イチローさんも賛辞 〇…試合後の引退セレモニーでは、早大で同期だった元阪神の鳥谷敬さん、ヤクルトOBのW・バレンティンさんらからビデオメッセージが届いた。06、09年のWBCで共闘したイチローさん(マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)からは「大学からプロの世界に入って2700本を超えるヒット、見事でした。もし同じ時代に同じ条件で勝負していたらどっちがよりヒットを打ったか。そんなことを想像させてくれたバッターでした」と賛辞を贈られた。

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